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はじめまして!このブログ「Premium Car Journal(プレミアムカージャーナル)」の運営責任者であり、現役の整備士を務めております、神崎悠真(かんざき ゆうま)と申します。
今この記事をご覧のあなたは、国産車にはない圧倒的なオーラを放つ「ベンツ スプリンター 新型 輸入」という選択肢に心を惹かれつつも、同時に多くの不安を感じているのではないでしょうか。例えば、日本の道路事情に合うサイズや価格の相場はどうなのか、実際の燃費性能や維持費はどれくらいかかるのかといった現実的なコストの問題ですね。
また、並行輸入車特有の故障時の対応や、キャンピングカーとして架装する場合の1ナンバーや8ナンバーといった登録区分の違いについても気になっていることでしょう。
私自身も仕事柄、多くの輸入車オーナー様の相談に乗ってきましたが、スプリンターはまさに「男のロマンと現実的な運用」が交差する車です。ただカッコいいから買う、という勢いだけでは乗り越えられないハードルがあるのも事実。しかし、それを乗り越えた先にある体験は、他のどの車でも得られない特別なものです。
この記事では、プロの視点とファンの情熱を交えながら、あなたが後悔しない選択をするための情報を、包み隠さず徹底的にお話しします。
記事のポイント
- 新型スプリンターを日本で維持するための具体的なコストと法的な登録区分
- 正規ディーラーでの整備拒否問題とそれを解決するための主治医の探し方
- 2025年モデルで刷新されたエンジンの魅力と日本環境への適合性
- 並行輸入における最大の難関である排ガス試験とナンバー取得プロセス
ベンツスプリンター新型を輸入する前に知るべき特徴
- 日本でのサイズ感と価格の相場
- 実際の燃費と維持費シミュレーション
- 故障リスクとディーラー入庫拒否
- キャンピングカーとしての適性
- 1ナンバーと8ナンバーの登録区分
日本でのサイズ感と価格の相場
まず最初にぶつかる壁、そして購入検討者が最も頭を悩ませるのが「サイズ」と「価格」の問題ですね。スプリンターは欧州では宅配便から救急車まで幅広く使われる「働くクルマ」の代名詞ですが、ここ日本では完全に「超」がつく大型車です。カタログスペックだけ見て「ハイエースとそんなに変わらないでしょ?」なんて思っていると、実車を見た瞬間に腰を抜かすかもしれません。
L2H2サイズが日本における最適解である理由

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スプリンターには多彩なボディサイズが存在しますが、個人的に日本で乗るなら、間違いなく「L2H2(ミディアムホイールベース・ハイルーフ)」というサイズがベストバランスだと断言します。具体的な寸法を見てみましょう。
- 全長:約5,932mm
- 全幅:約2,020mm(ミラー除く)
- 全高:約2,620mm〜2,700mm(エアコン室外機やベンチレーター等の有無による)
比較対象としてよく挙がるトヨタのハイエース(スーパーロング・ワイド・ハイルーフ)が全長5,380mm、全幅1,880mmですので、スプリンターはそれよりも約55cm長く、14cm幅広です。この「プラス55cm」が都市部では結構効いてきます。
例えば、同じメルセデスの大型SUVであるベンツゲレンデ(Gクラス)のサイズと比較しても、スプリンターの威圧感と実際の専有面積は別格です。一般的なコインパーキングのフラップ板(ロック板)の位置や、区画線の長さは5m基準で作られていることが多いため、スプリンターを停めると鼻先がガッツリとはみ出します。
私の運用アドバイス
普段使いを考えるなら、「ゲートバーがないロック板方式のコインパーキング」かつ「端っこの広いスペース」を狙うのが鉄則です。また、ドライブスルーは高さ制限(大抵2.3m〜2.5m)に引っかかるので諦めてください。でも、郊外のスーパーやショッピングモールなら、遠くの空いているエリアに2枠使って停めるなどの配慮をすれば、意外となんとかなるものです。
円安時代の乗り出し価格:1,200万円の壁
そして気になる価格ですが、昨今の円安と世界的なインフレの影響で、正直かなり上がっています。数年前までは「総額800万円〜900万円くらいで乗れるかな?」という時期もありましたが、現在は状況が異なります。
2025年モデルの主要グレード「Sprinter 319 CDI(190馬力→211馬力になった新型)」を狙う場合、以下のような内訳になるのが一般的です。
| 項目 | 概算費用 | 備考 |
|---|---|---|
| 車両本体価格(UK/EU) | 約900万円〜1,000万円 | オプション内容や為替レート(ポンド/ユーロ)に大きく依存します。 |
| 輸入諸経費 | 約150万円〜200万円 | 海上運賃、通関費用、国内消費税(10%)が含まれます。 |
| 国内改善・試験費用 | 約50万円〜100万円 | 排ガス試験、加速騒音試験、予備検査、灯火類改善など。 |
| 乗り出し総額目安 | 約1,100万円〜1,300万円 | ナビやドラレコ等の取り付けを含まない最低ラインです。 |
「商用バンに1,200万超え?」と驚かれるかもしれません。よく比較検討される正規輸入ミニバン、ベンツVクラスの新車価格と比べても同等かそれ以上の価格帯になります。
しかし、Vクラスをも凌駕する圧倒的な室内空間、堅牢なボディ、そしてメルセデスならではの先進安全装備(ADAS)を考えれば、国産キャンピングカーの上位モデルと比較しても、決して「割高」ではないと私は思います。むしろ、ベース車両としてのポテンシャルは世界最高峰ですから、そこに価値を見出せる方にとっては適正価格と言えるでしょう。
実際の燃費と維持費シミュレーション
「こんなデカい車、リッター5kmくらいしか走らないんでしょ?」
お客様からよく聞かれる質問ですが、ここは良い意味で裏切られるポイントです。最新のスプリンターは、環境性能と燃費効率が劇的に進化しています。
ダウンサイジングの恩恵:OM654エンジンの実力

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2024年モデル以降、長らく愛されてきた3.0リッターV型6気筒ディーゼルターボエンジンがついに廃止され、全車2.0リッター直列4気筒クリーンディーゼル「OM654」に統合されました。
「排気量が小さくなって大丈夫?」という心配は無用です。最新の9速オートマチックトランスミッション(9G-TRONIC)との組み合わせが秀逸で、高速道路を時速80km〜100kmで巡航する場合、エンジン回転数は非常に低く抑えられます。
私の経験則やオーナー様のデータを見る限り、実燃費は以下の通りです。
- 街乗り・渋滞時:8km/L 〜 9km/L
- 高速道路巡航時:11km/L 〜 13km/L
車両総重量が3トン近くある車としては、驚異的な数値だと思いませんか?燃料タンクも標準で71リットル、オプションで93リットルを選べるので、一度の満タン給油で1,000km近く走破することも夢ではありません。
年間維持費のリアルな数字
では、実際に所有した場合のランニングコスト(維持費)をシミュレーションしてみましょう。ここでは、税金面で有利な「1ナンバー(普通貨物)」で登録した場合を想定します。
| 項目 | 年間コスト目安 | 詳細解説 |
|---|---|---|
| 自動車税 | 約16,000円 | 最大積載量によって決まりますが、2.0Lエンジンの恩恵で3ナンバー登録でも39,500円に下がりました。 |
| 重量税 | 約12,300円〜 | 車両総重量によります。1ナンバーは毎年車検ごとに納付が必要です。 |
| 自賠責保険 | 約20,000円 | 12ヶ月契約の場合。これも車検ごとに必要です。 |
| 車検整備費用 | 約100,000円〜 | 基本工賃+消耗品交換。1ナンバーは「毎年」この出費がある点を忘れてはいけません。 |
| 任意保険 | 約120,000円〜 | ここが要注意ポイント。並行輸入車はネット型保険では加入できないケースが多く、代理店型でも車両保険が高額になりがちです。 |
| メンテナンス積立 | 約100,000円 | オイル交換(約2万〜3万円/回)、AdBlue補充、タイヤ交換費用などの積立として。 |
| 年間合計 | 約368,000円〜 | 駐車場代、燃料代は含みません。 |
税制改正の影響
以前のV6(3.0L)モデルの場合、3ナンバー登録すると自動車税が年額51,000円でしたが、新型の2.0Lモデルなら39,500円になります。毎年1万円以上の節税効果があるのは、長期保有において地味に嬉しいメリットですね。
故障リスクとディーラー入庫拒否
ここが、スプリンター輸入における最大の「踏み絵」であり、一番シビアな現実です。整備士として、甘い言葉だけでなく厳しい現実も正直にお伝えしなければなりません。
「ディーラー入庫拒否」という壁
基本的に、メルセデス・ベンツ日本の正規ディーラー(ヤナセさんやシュテルンさん等)は、並行輸入車の整備を受け付けてくれません。

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「えっ、世界のメルセデスなのに?」と思われるかもしれませんが、これは日本法人のポリシーや、PL法(製造物責任法)のリスク回避、そして「正規輸入車を購入してくれた顧客へのサービス品質維持」といった背景があります。さらに言えば、メルセデス・ベンツの親会社や組織構造が、商用車部門と乗用車部門で完全に分かれていることにも起因しています。
さらに技術的な問題もあります。並行輸入車は、日本仕様とは使用している部品が微妙に異なっていたり、ECU(コンピュータ)のプログラムが違ったりします。正規ディーラーの診断機(テスター)を繋いでも、車台番号から車両情報を正しく読み取れず、診断自体ができないケースもあるのです。

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購入前の絶対条件:主治医の確保
スプリンターを購入する前に、必ず自宅から通える範囲で「並行輸入車のメルセデスを診れる整備工場(スペシャルショップ)」を見つけておいてください。
条件は以下の3つです。
1. 最新の純正診断機「XENTRY Diagnosis」を完備していること。
2. オンラインコーディング(SCNコーディング)に対応できること。
3. スプリンターのような大型車を上げられるリフトや設備があること。
これが確保できないなら、厳しいようですが購入は見送ったほうが賢明です。
新型スプリンターの弱点とAdBlue問題
機械的な信頼性は非常に高いスプリンターですが、現代のディーゼル車特有の悩みからは逃れられません。特に多いのが「AdBlue(尿素水)システム」のトラブルです。
ある日突然、メーターパネルに「AdBlue System Fault」という警告と共に、「あと800km走行後に再始動できません」というカウントダウンが表示されることがあります。これは恐怖です。カウントがゼロになると、エンジンを切った瞬間に二度とかからなくなります。
これは他メーカーの事例ですが、BMWのディーゼル車で後悔する理由として挙げられるような、DPFや尿素噴射システムのトラブルは、現代のクリーンディーゼル共通の課題でもあります。
原因の多くは、NOxセンサーの故障や、AdBlueインジェクターの結晶化による詰まり、あるいはタンク内のヒーター故障などです。センサー1つ交換するだけでも5万円〜10万円コースになることは覚悟しておきましょう。
また、重篤なトラブル以外にも、例えばベンツのキー電池交換後のリセット操作のような、特有の「お作法」はスプリンターも乗用車と同様ですので、知識として持っておく必要があります。
キャンピングカーとしての適性

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スプリンターが世界中でこれほど検索され、愛されている最大の理由は、間違いなく「バンライフ(Vanlife)」のベース車両としてのポテンシャルが最強だからです。
圧倒的な室内空間が生む自由
L2H2サイズの場合、荷室長は約3.3m、室内高は約192cmもあります。身長180cmの男性でも、頭を屈めることなく車内で直立して歩ける。この「立って歩ける」という要素が、長期の車中泊やバンライフにおいてどれほどストレスを軽減するか、想像してみてください。
ボディ形状も、ハイエースのような下ぶくれの形状ではなく、側面が垂直に近い四角い形状をしています。これにより、オーバーヘッドキャビネット(吊り戸棚)やベッドを設置しやすく、デッドスペースが生まれにくいというメリットがあります。
「鉄の箱」をどう料理するか
ただし、忘れてはいけないのが、スプリンターは元々が「商用貨物バン」であるという点です。素の状態では、内装はペラペラのパネルか、あるいは鉄板むき出しです。
日本の気候は過酷です。夏は鉄板が焼けて車内はサウナ状態になり、冬は結露でビショビショになります。したがって、キャンピングカーとして使うなら、徹底的な断熱施工(Thinsulate等の高機能断熱材の充填)が必須条件となります。
ビルダー選びの重要性
1ナンバーと8ナンバーの登録区分

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スプリンターを日本で登録する際、ナンバープレートの区分(用途)をどうするかは、その後のカーライフを左右する重要な分岐点です。
1ナンバー(普通貨物自動車)
- メリット:自動車税が安い(年額16,000円〜)。構造要件が比較的シンプルで、荷物を積むための広いスペースを確保できる。
- デメリット:車検が毎年(1年ごと)ある。高速道路の料金区分が「中型車」となり、普通車の約1.2倍かかる。休日割引などのETC割引が適用されないケースが多い。
8ナンバー(特種用途自動車・キャンピング車)
- メリット:車検が2年ごと(初回も2年)になる。高速道路の料金が「普通車」と同じになり、ETC割引もフルに使える。任意保険の加入が比較的スムーズ(会社による)。
- デメリット:構造要件が厳格。就寝設備(ベッド)、炊事設備(シンク・コンロ)、水道設備などを、定められた寸法で固定設置しなければならない。これにより、架装コストがかさむ。
結論:どちらを選ぶべきか?
個人的な推奨は、予算が許すなら断然「8ナンバー(キャンピング)」です。
スプリンターの広大な室内高(1600mm以上という要件も余裕でクリア)を活かせば、8ナンバー取得は難しくありません。何より、毎年車検の手間から解放されることと、高速道路を気兼ねなく走れるメリットは計り知れません。「バンライフを楽しみたい」という目的でスプリンターを選ぶなら、8ナンバー化は必須の投資と言えるでしょう。
ベンツスプリンター新型の輸入プロセスと注意点
- 運転に必要な免許制度の解説
- 右ハンドルと左ハンドルの選択
- 輸入時の排ガス試験と改善費用
- 進化したエンジンの性能とAWD
- 資産価値とリセールバリュー
- よくある質問
- ベンツスプリンター新型の輸入まとめ
運転に必要な免許制度の解説

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車を買ったはいいけれど、いざ運転しようとしたら「無免許運転」になってしまった…なんて笑えない話が現実に起こり得るのが、スプリンターの恐ろしいところです。原因は、複雑化した日本の運転免許制度にあります。
「準中型免許」の罠に注意せよ
スプリンターの車両総重量(GVW: Gross Vehicle Weight)は、モデルや架装内容によって異なりますが、3.5トン〜5.5トンのレンジに収まることが大半です。
ここで問題になるのが、あなたがいつ普通免許を取得したか、です。
| 免許取得時期 | 免許の種類 | 運転可能な車両総重量 | スプリンターの運転 |
|---|---|---|---|
| 2007年6月1日以前 | 中型(8t限定) | 8トン未満 | ほぼ全モデルOK |
| 2007年6月2日〜2017年3月11日 | 準中型(5t限定) | 5トン未満 | 条件付きOK(GVW5tを超えるモデルはNG) |
| 2017年3月12日以降 | 普通免許 | 3.5トン未満 | ほぼNG(別途「準中型免許」が必要) |
特に若い世代の方や、最近免許を取り直した方は要注意です。現行の普通免許では、車両総重量3.5トン未満しか運転できません。スプリンターで3.5トン未満に収まるのは、ショートボディの低積載モデルなどごく一部に限られます。本格的なキャンピング架装を施したスプリンターは、まず間違いなく3.5トンを超えます。
もし該当する場合は、教習所に通って「準中型免許」を取得する必要があります。これは購入前の必須チェック項目として、絶対に忘れないでください。
(出典:警察庁『準中型自動車・準中型免許の新設について』)
右ハンドルと左ハンドルの選択
並行輸入ならではの悩み、それが「右ハンドル(UK仕様)」にするか、「左ハンドル(欧州大陸仕様)」にするかという究極の二択です。
実用性重視なら「イギリス仕様(右ハンドル)」一択
私は断然、イギリス(UK)仕様の右ハンドルを推します。理由は単純、日本の道路環境が左側通行だからです。
全幅2メートルを超える巨体で、日本の狭い道路ですれ違うシーンを想像してみてください。左ハンドルだと、自分の体が道路の中央側に位置するため、左側の路肩ギリギリまで寄せる感覚が掴みづらくなります。対向車が大型トラックだった場合、恐怖心から十分に寄せきれず、すれ違いに苦労することになります。
また、右折時の視界確保、コインパーキングの発券機、ドライブスルー(高さが許せば)など、右ハンドルのメリットは計り知れません。日本でストレスなく毎日乗りたいなら、迷わず右ハンドルを探すべきです。
左ハンドルのメリットは「選択肢の多さ」
一方で、ドイツ本国仕様などの左ハンドルには「在庫が豊富」というメリットがあります。特にHymerなどの中古キャンピングカーを探す場合、市場に出回っているのは圧倒的に左ハンドルです。「外車に乗っている感」や「ステータス性」を重視する方には、左ハンドルも魅力的に映るでしょう。
ただし、ヘッドライトの配光(カットライン)が右側通行用になっているため、日本で登録する際にはヘッドライトユニットの交換や加工が必須になる点も覚えておいてください。
輸入時の排ガス試験と改善費用
これが個人輸入を志す多くのチャレンジャーを絶望の淵に追いやる、最大のハードル「ガス検(排ガス試験)」です。
並行輸入車を日本でナンバー登録するためには、その車が日本の「ポスト新長期規制」などの厳しい排ガス基準を満たしていることを証明しなければなりません。
「ガス枠」を持つプロに頼るのが正解
この試験は、JARI(日本自動車研究所)などの公的機関に車両を持ち込み、シャシーダイナモ上で走行させて行いますが、費用だけで30万円〜50万円ほどかかります。しかも、もし不合格になれば費用は没収、改善して再試験(追加費用)となります。
しかし、輸入代行業者や専門店の中には、すでに同型車の試験をクリアしたデータ、通称「ガス枠(排ガスレポート)」を所有しているところがあります。このレポートを有償で借りる(枠貸し)ことで、実車試験を免除し、書類申請だけでパスすることができるのです。
個人輸入のリスク
「自分で海外サイトから買ったほうが安い!」と思って車両だけ輸入しても、日本に到着してからこのガス検の壁にぶつかり、結局プロに泣きついて高額な手数料を払う…というケースが後を絶ちません。
2025年モデルのような新型エンジンの場合、まだ日本にレポートが存在しない可能性
進化したエンジンの性能とAWD
2025年モデルの最大の魅力は、なんといってもパワートレインの進化です。もはや商用車の域を超えた、乗用車ライクな走りについて解説します。
4気筒でもパワフル!OM654エンジンの真価
先ほど燃費の話でも触れましたが、新型の2.0リッター直4ディーゼルエンジン(OM654)には、出力の異なるバージョンが存在します。スプリンターに搭載されるのは、主に以下の2種類です。
- Standard Output:170ps / 400Nm(シングルターボ)
- High Output:211ps / 450Nm(ツインターボ)
特におすすめなのは、ツインターボのHigh Output版です。211馬力という数値は、かつてのV6エンジン(190馬力)を上回っています。「4気筒になって非力になった」どころか、むしろ速くなっているのです。
シリンダー内部にはF1マシンにも使われる「ナノスライド・コーティング」が施され、摩擦抵抗を極限まで低減。さらにアルミブロックにスチール製ピストンを組み合わせることで、熱効率と耐久性を高次元で両立させています。
「なんちゃって4WD」からの卒業
そしてAWD(全輪駆動)システムも劇的に進化しました。旧型モデルの4WDは、前後トルク配分が固定されていたり、路面状況に応じて手動で切り替えるパートタイム式だったりと、設計の古さが否めませんでした。
しかし新型では、電子制御マルチプレートクラッチを用いた「トルク・オン・デマンドAWD」が採用されました。これは路面の状況をセンサーが感知し、前後トルク配分を0:100から50:50まで、瞬時かつ無段階に可変させるシステムです。
雨の日の高速道路、雪道の登り坂、キャンプ場のぬかるんだ未舗装路…。ドライバーは何も考える必要はありません。ただアクセルを踏めば、車が勝手に最適なトラクションを確保してくれます。この安心感こそが、最新モデルを選ぶ最大の理由かもしれません。
資産価値とリセールバリュー

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最後に、お金の話をもう一度だけさせてください。乗り出し1,200万円という金額は、確かに高額です。しかし、スプリンターは単なる消費財ではなく、一種の「資産」として捉えることもできます。
驚異的な残価率
スプリンター、特にディーゼルエンジンの商用バンは、耐久性が桁違いに高く、走行距離20万km、30万kmは当たり前の世界です。そのため、中古市場での値落ちが非常に緩やかです。
さらに日本では、正規輸入されていない希少性と、昨今のキャンピングカーブーム、バンライフブームが重なり、需要が供給を遥かに上回っています。中古車サイトを見ていただければ分かりますが、5年落ち、走行5万km程度の個体でも、新車価格に近い金額(あるいはそれ以上!)で取引されているケースも珍しくありません。
「高い車を買う」のではなく、「価値の落ちない車にお金を一時的に預ける」。5年間楽しみ尽くして売却したとき、実質的なコスト(差額)は、国産のミニバンを乗り潰すのと変わらないか、むしろ安く済む可能性すらあります。もちろん、ベンツ300SLのような歴史的名車とまではいきませんが、商用車としては異例の高リセールを期待できるでしょう。
そう考えれば、この1,200万円は決して無謀な投資ではないはずです。
よくある質問
Q:正規ディーラーで修理や車検は受けられますか?
A:基本的に断られます。購入前に、専用診断機「XENTRY」を完備し、並行輸入車に対応できる専門整備工場(主治医)を確保することが絶対条件です。
Q:今の普通免許でスプリンターを運転できますか?
A:2017年3月12日以降に取得した普通免許では、重量オーバーで運転できない可能性が高いです。その場合、別途「準中型免許」の取得が必要になります。
Q:1ナンバーと8ナンバー、どちらの登録がおすすめですか?
A:予算が許すなら「8ナンバー(キャンピング)」が推奨です。初期の架装コストはかかりますが、2年車検や高速料金の割引など、長期的な運用メリットが大きいです。
Q:日本での普段使いや駐車場事情はどうですか?
A:全長約6mあるため、一般的なコインパーキングでははみ出します。ロック板式で端の広い場所を選ぶなどの工夫が必要です。ドライブスルーは高さ制限で利用できません。
ベンツスプリンター新型の輸入まとめ

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記事の要点まとめ
- 日本の道路事情を考えると、サイズはL2H2(全長約5.9m)が最も現実的で使いやすい。
- 乗り出し価格は1,200万円前後。維持費は1ナンバーなら安めだが毎年車検。8ナンバー化がトレンド。
- 正規ディーラーは基本的に整備NG。購入前に必ず信頼できる「主治医(専門店)」を見つけること。
- 2025年モデルのOM654エンジン(211ps)とAWDは、国産車にはない圧倒的な走行性能を誇る。
- 準中型免許の確認と、排ガス試験(ガス枠)を持つプロショップを通じた輸入が成功の鍵。
- 初期投資は高いが、リセールバリューが極めて高く、実質的な負担額は想像以上に抑えられる可能性がある。
スプリンターのある生活は、単なる移動手段を超えて、あなたのライフスタイルそのものを劇的に変える力を持っています。週末にふらっと海へ行き、波音を聞きながら広大な車内でコーヒーを淹れる。そんな映画のようなワンシーンが、この車があれば日常になります。
並行輸入という冒険の先に待っているのは、国産車では決して味わえない自由と優越感、そして所有する喜びです。もし本気で検討されているなら、まずは信頼できる輸入ショップに相談し、実車を見せてもらうことから始めてみてください。きっと、その圧倒的な存在感に一瞬で恋に落ちるはずですから。
※本記事の情報は執筆時点のものです。法規制や価格、仕様は変動する可能性があります。最終的な判断は専門家にご相談ください。