はじめまして! このブログ「プレミアムカージャーナル」の運営責任者であり、現役の整備士を務めております、神崎悠真(かんざき ゆうま)と申します。
メルセデス・ベンツといえば、誰もが一度は憧れる高級車の最高峰ですよね。しかし、最近ネットやニュースで「メルセデス・ベンツの親会社はどこなの?」という疑問や、ダイムラーという名前が消えたことに対する戸惑いの声、さらには中国企業による買収の噂などを目にすることが増えました。
整備士として現場でお客さまとお話ししていても、ブランドの体制が変わったことで「これからのメンテナンスはどうなるの?」と不安に思われる方もいらっしゃいます。実は、今のメルセデスはダイムラーAGから社名を変更し、トラック部門を切り離すなど、100年に一度と言われる大変革期に合わせて組織を劇的に進化させているんです。
この記事では、複雑に見える親会社の実態や最新の株主構成、そして気になる中国資本の影響について、専門用語を避けつつ、現場を知る私の視点で分かりやすく整理して解説していきますね。

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記事のポイント
- 現在の親会社であるメルセデス・ベンツ・グループAGの正体
- ダイムラーAGから社名が変更された理由と背景
- 筆頭株主である中国企業とのリアルな関係性
- トヨタやトラック部門との提携に関する正確な情報
メルセデス・ベンツの親会社はどこ?最新の社名と組織を解説
- ダイムラーからメルセデス・ベンツへの社名変更の経緯
- 本社はどこの国?ドイツに拠点を置く最上位の持株会社
- 事業会社メルセデス・ベンツAGと金融部門の役割
- ダイムラー・トラックとの分社化と現在の資本関係
- トヨタや三菱ふそうとの提携は商用車部門の話題
- 中国の吉利と合弁化したスマートブランドの再編
ダイムラーからメルセデス・ベンツへの社名変更の経緯
長年、メルセデスの車を愛してきた方にとって、「ダイムラー」という響きは特別なものだったと思います。しかし、2022年2月1日、親会社であった「ダイムラーAG」は、その名を「メルセデス・ベンツ・グループAG」へと正式に変更しました。
整備士の仕事をしていても、パーツの箱や診断機の画面に表示されるロゴが少しずつ変わっていく様子を見て、時代の大きな区切りを実感したものです。この変更は単なるイメージチェンジではなく、会社を「高級乗用車」と「商用車(トラック・バス)」の2つに完全に分割するという、歴史的な組織再編の結果として行われました。

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なぜ、創業者の名前である「ダイムラー」を手放してまで社名を変えたのか。その最大の理由は、投資家たちが長年指摘してきた「コングロマリット・ディスカウント」の解消にあります。かつてのダイムラーは、華やかなラグジュアリーカーと、過酷な現場を支える大型トラックを同じ屋根の下で扱っていました。
しかし、高級車とトラックでは、開発にかかる時間も、必要とされる技術も、そして何より「誰に売るか」というビジネスモデルが根本的に異なります。投資家からは「これらを一つにまとめておくと、それぞれの事業の価値が正しく評価されない」と言われ続けてきたんですね。
そこで会社側は、乗用車部門を「メルセデス・ベンツ」という世界最強のブランド名で独立させることで、その価値をより鮮明に打ち出す決断をしました。これにより、テスラのような新興EVメーカーや、ルイ・ヴィトンを擁するLVMHのようなラグジュアリーブランドと同じ目線で、より高い利益率とブランド力を追求できるようになったわけです。
私たち整備士の視点から見ても、高級車としてのクオリティをさらに高めようとする姿勢が、最新モデルの細かな造り込みから伝わってきます。この社名変更は、メルセデスが次の100年もトップランナーであり続けるための、攻めの姿勢の表れだと言えるでしょう。

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本社はどこの国?ドイツに拠点を置く最上位の持株会社
「メルセデス・ベンツの親会社はどこにあるの?」という質問をいただくことがありますが、これに対する答えは明確に「ドイツ」です。 本社は現在も、ドイツ南西部に位置する工業都市シュトゥットガルトのウンターテュルクハイム地区に置かれています。ここはまさに、1886年に自動車が発明された「聖地」とも呼べる場所です。

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整備の現場で使用する技術マニュアルや、新型エンジンの設計思想も、すべてはこのシュトゥットガルトの本社から発信されています。
法的な構造を詳しくお話しすると、現在の「メルセデス・ベンツ・グループAG」は、フランクフルト証券取引所に上場しているドイツの公開株式会社(AG)です。つまり、この会社自体がグループ全体の頂点に立つ「最上位の親会社」であり、どこか別の巨大企業の傘下に入っているわけではありません。
例えば、アウディがフォルクスワーゲンの子会社であるのとは異なり、メルセデスは自らが主役となって独立した経営を行っているピュア・プレイ・カンパニー(専業企業)なんです。
グローバル企業であるため、株主には中国や中東の資本も入っていますが、本社の決定権や開発のコントロール、そしてブランドの根幹を成す「エンジニアリングの魂」は、しっかりとドイツの地にあります。
ドイツ車ならではの走行安定性や、アウトバーンで鍛えられた強固なボディ構造、そして一切の妥協を許さない品質管理基準は、本社の国籍がドイツである限り揺らぐことはないでしょう。実際、現場で車をリフトアップして足回りを確認していても、その頑強な造り込みにはいつも感心させられます。
ちなみに、同じドイツ車でもブランドによって考え方は異なります。例えば、BMWのデザインがひどい理由は?巨大グリルの正体と最新動向という記事では、ライバルであるBMWがどのようにグローバル市場と向き合っているかを解説していますが、メルセデスはより「普遍的なラグジュアリー」をドイツから発信し続けている印象がありますね。
事業会社メルセデス・ベンツAGと金融部門の役割
今のメルセデスの組織図を理解する上で欠かせないのが、持株会社である「グループAG」と、その下にある「事業子会社」の関係です。「メルセデス・ベンツ・グループAG」という親会社の下には、大きく分けて3つの主要な子会社がぶら下がっています。その筆頭が、私たちが普段目にする「ベンツ」の開発・製造を担当する「メルセデス・ベンツAG」です。
私たちが日々整備を行っている車両そのものは、この会社で作られています。
そしてもう一つの重要な柱が、ローンやリース、保険などを扱う「メルセデス・ベンツ・モビリティAG」です。今の時代、車は単にキャッシュで買うだけではなく、残価設定ローンやサブスクリプションといった多様な乗り方が提案されていますよね。こうした金融サービスを専門に扱う会社があることで、ユーザーは自分のライフスタイルに合った所有体験を選ぶことができるんです。
整備士の視点で見ても、こうした金融面でのサポートが充実しているからこそ、多くのユーザーが最先端の安全技術を搭載した新車に乗り換えることができ、結果として交通社会の安全性が高まっていると感じます。
このように組織が機能ごとに分かれているのは、目まぐるしく変わる市場環境に素早く対応するためでもあります。例えば、Aクラスのようなコンパクトカーであれば、整備のしやすさや日常の使い勝手が重視されますが、Sクラスのようなフラッグシップモデルであれば、至高の乗り心地と最先端のIT技術が求められます。
それぞれのモデルに最適なサービスを提供するために、組織が細分化されているわけですね。もしAクラスをお持ちで、自分で日常のチェックをしてみたいという方は、ベンツAクラスのボンネット開け方を現役整備士が徹底解説!W177/W176対応版を参考にしてみてください。こうした現場の情報も、親会社から各子会社を通じて私たち整備士へと共有されている大切なノウハウの一つです。
ダイムラー・トラックとの分社化と現在の資本関係
2021年、メルセデス・ベンツの歴史において最大とも言える出来事が起こりました。それが、商用車部門である「ダイムラー・トラック」の分社化です。かつては一つの巨大な組織の中で乗用車もトラックも作られていましたが、現在は「ダイムラー・トラック・ホールディングAG」として別の会社として上場しています。
この決断は、乗用車とトラック、それぞれの事業が独自のスピードで成長するために必要な「自律」を促すためのものでした。
整備の現場でも、乗用車とトラックでは求められる知識や設備が全く違います。乗用車は快適性やステータスが重要視されますが、トラックは「稼働率」や「燃費性能」、そして何よりも「止まらないこと」が求められる究極の働く道具です。
分社化によって、ダイムラー・トラックは水素燃料電池の開発や自動運転トラックの実用化といった、商用車特有の課題に集中できる体制を整えました。一方のメルセデス・ベンツ・グループは、より純粋に「世界一の高級乗用車メーカー」としてのブランド磨きに専念できるようになったのです。
「でも、もう関係ないの?」と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。親会社であるメルセデス・ベンツ・グループAGは、現在もダイムラー・トラックの株式を約35%保有し続けています。 これは単なる投資ではなく、長年共有してきた「メルセデス」のブランドイメージを損なわないための連携や、技術的な協力体制を維持するためのものです。
この分社化に関する詳細なデータや経緯は、公式の報告書(出典:Mercedes-Benz Group AG『Annual Report 2023』)でも公開されており、その戦略的な意図が細かく説明されています。親子というよりは、お互いの専門性を尊重し合う「強力なパートナー」へと進化したと見るのが正解でしょう。
トヨタや三菱ふそうとの提携は商用車部門の話題
ニュースで「ベンツがトヨタと提携!」という刺激的な見出しを目にして驚いた方も多いのではないでしょうか。「もしかしてベンツのエンジンがトヨタ製になるの?」といった心配の声を聞くこともありますが、ここで冷静に整理しておきたいのが、この提携はあくまで「商用車(トラック・バス)部門」の話であるということです。
具体的には、先ほどお話しした「ダイムラー・トラック」の子会社である「三菱ふそうトラック・バス」と、トヨタの子会社である「日野自動車」を統合し、新しい会社を設立するという計画です。これは、脱炭素社会に向けて膨大なかかる開発コスト(水素燃料電池やEV技術など)を日独のメーカーが手を組んで分担し、世界的な競争に勝つための生存戦略なんですね。
ですので、私たちが普段乗っているSクラスやEクラス、あるいはCクラスなどの乗用車の開発にトヨタが直接関わるわけではありません。

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整備士の目線で見ると、こうした大規模な提携は技術の底上げに繋がるため、非常に興味深いものです。たとえトラック部門の話であっても、そこで培われた電動化技術や安全制御のノウハウが、巡り巡って乗用車のメルセデス・ベンツAGへとフィードバックされる可能性は十分にあります
。ただ、ブランドとしてのアイデンティティは今も昔もメルセデス独自のものであり、トヨタの傘下に入るようなことはありません。メルセデスの乗用車はこれからも「最善か無か(Das Beste oder nichts)」という哲学に基づき、独自の道を歩み続けていくはずです。ユーザーの皆さんは、安心してこれまでのメルセデスらしい乗り味を愉しんでいただければと思います。
中国の吉利と合弁化したスマートブランドの再編
メルセデスの小型車ブランドとして愛されてきた「スマート(smart)」についても、親会社の主導で大きな再編が行われました。現在、スマートの運営主体は、メルセデス・ベンツ・グループと中国の自動車大手「吉利控股集団(Geely Holding Group)」が50:50で出資する合弁会社になっています。
これまでのガソリン車中心のラインナップから一転、現在は「エレクトリック専用ブランド」として生まれ変わっています。
なぜ中国の吉利と組んだのか。そこには、小型車の利益率の低さを克服するという課題がありました。超小型車は開発費がかかる一方で、高い価格設定ができません。そこで、メルセデスが「デザインとブランド管理」を、吉利が「EVプラットフォームの開発と生産」を担当するという役割分担を決めたのです。
これにより、新生スマートは中国の巨大なEV市場と生産力を背景に、競争力のある価格で高品質なEVを提供できるようになったわけです。実際、最新モデルの「smart #1」などは、中身に最新のEV技術が詰め込まれており、これまでのスマートとは別次元の走りを実現しています。

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スマート旧型モデルを所有されている方へ
ブランドの運営主体が合弁会社に変わったことで、将来的な部品の供給体制や、メンテナンスの窓口が変更される可能性があります。特にガソリン車時代のスマートにお乗りの方は、早めの部品確保や、信頼できる主治医(整備工場)を見つけておくことをおすすめします。これからのスマートは、まさに「スマートなEV」としての道を歩んでいくことになりますね。
整備士としては、吉利のような勢いのあるメーカーと組むことで、最先端のバッテリー管理技術などがメルセデスグループ全体に還元されるメリットは大きいと感じています。一方で、往年のスマートファンにとっては「中国製になるの?」という寂しさもあるかもしれません。
しかし、メルセデスがデザインを監修している限り、その洗練された雰囲気は健在です。ブランドを存続させ、さらに進化させるための、親会社による「現実的かつ賢明な選択」だったと言えるでしょう。
メルセデス・ベンツの親会社は中国?主要株主と資本構成

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- 筆頭株主である中国国有の北京汽車集団との提携関係
- 第2位株主である吉利集団の李書福氏による巨額投資
- 長年支え続けるクウェート投資庁や個人株主の存在
- 中国企業による買収の噂とドイツ流ガバナンスの真実
- よくある質問
- メルセデス・ベンツ・グループはラグジュアリーを追求する
筆頭株主である中国国有の北京汽車集団との提携関係
「メルセデス・ベンツが中国に買収された」という噂を聞いて、驚かれた方も多いでしょう。実際のところ、2024年現在の株主構成を見ると、単独での筆頭株主は中国の国有企業「北京汽車集団(BAIC Group)」です。保有比率は約9.98%となっており、非常に大きな影響力を持っていることは間違いありません。
しかし、現場を知る整備士としてお伝えしたいのは、この関係は決して「乗っ取り」のようなネガティブなものではないということです。北京汽車とメルセデスの関係は、2005年に中国での車両生産をスタートさせた時からの、非常に長い「パートナーシップ」に基づいています。
世界最大の自動車市場である中国で車を売るためには、現地のメーカーと組んで「北京ベンツ(BBAC)」という会社を作る必要があったんですね。北京汽車が株式を取得したのは、後から参入してきた吉利の影響力を牽制し、自分たちのパートナーとしての地位を確固たるものにするための、どちらかと言えば「守り」の戦略でもありました。
メルセデスにとっても、中国市場からの莫大な利益は、次世代のEV開発や自動運転技術に投資するための「生命線」です。筆頭株主が中国企業であるということは、それだけ中国市場と深く繋がっているということであり、ビジネスとしての安定感を生んでいます。

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整備の現場で触れる部品や技術に、中国企業の都合で品質が落ちたような形跡は一切ありません。むしろ、豊富な資金力を背景に、より豪華で、より安全な車が生み出されていると感じます。メルセデスは、中国という強力なパートナーを味方につけることで、未来への切符を手に入れたと言えるかもしれません。
第2位株主である吉利集団の李書福氏による巨額投資
北京汽車に次いで、約9.69%の株式を保有している第2位の株主も、中国の民間自動車メーカー最大手「吉利控股集団(Geely)」の会長、李書福氏です。2018年、彼が市場を通じて突如として株式を買い集め、大株主として名乗りを上げた時は、世界中に激震が走りました。
当時のドイツ国内では「技術が盗まれるのではないか」という警戒感も非常に強かったのを覚えています。
ですが、その後の数年間で、吉利との関係も非常に建設的なものに変わってきました。李書福氏の狙いは、メルセデスという世界最高峰の自動車メーカーと協力関係を築くことで、自社の技術レベルを底上げし、将来的に数社に集約されると言われる自動車業界で生き残ることにあります。
その証拠に、スマートの合弁事業や、次世代エンジンの共同開発といった具体的な実を結んでいます。整備の仕事をしていても、吉利の影響でメルセデスの設計思想がブレるようなことは今のところありません。
吉利はボルボやロータスを傘下に収めて再生させた実績もあり、「ブランドを育てる」という点では非常に長けています。メルセデスに対しても、そのブランド価値を尊重しながら、必要な技術を共有するというスタンスを貫いています。
中国の民間企業が持つスピード感と、ドイツの伝統が融合することで、これまでのメルセデスにはなかった新しい発想が生まれてくるかもしれません。一人の整備士として、その進化の過程を間近で見られるのは非常に楽しみなことでもあります。

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長年支え続けるクウェート投資庁や個人株主の存在
中国資本の話題が目立ちますが、メルセデス・ベンツ・グループという巨大な船を支えているのは彼らだけではありません。忘れてはならないのが、中東の「オイルマネー」です。クウェート投資庁(KIA)は、1974年から約半世紀にわたって大株主であり続けています。
保有比率は約6.8%ですが、彼らは短期的な利益を追うのではなく、ブランドが長く愛され続けることを願う、非常に安定した株主です。
また、株式の過半数は今もなお、世界中の機関投資家やドイツ国内を中心とした個人株主によって保有されています。特定の国や企業が100%を支配しているわけではないという「分散された資本」こそが、メルセデスの健全な経営の源泉です。
現場でお会いするオーナーさまの中にも「実はベンツの株も持っているんだよ」と笑顔で話してくださる方がいらっしゃいますが、そうしたファンの方々に支えられているブランドだということを強く実感します。
資本が多様であることは、経営陣に常に「透明性」と「高いパフォーマンス」を求めるプレッシャーになります。高級車という資産価値を長く維持するためには、この緊張感が欠かせません。私たちユーザーにとっても、一社の意向でブランドが急変するリスクが少ないのは安心材料ですよね。
維持費やパーツ代の高さに驚くこともあるかもしれませんが、その背景には世界中の厳しい目があることを知っておくと、愛車への見方が少し変わるかもしれません。もしメンテナンスでお困りの際は、ベンツのキー電池を交換しても表示が消えない!原因とリセット方法を徹底解説のような記事もチェックしてみてください。こうした日常の細かなトラブル解決も、メルセデスライフを愉しむ大切な一歩です。
中国企業による買収の噂とドイツ流ガバナンスの真実
「中国企業が2社で約20%の株を持っているなら、もう実質的には中国の会社だよね」という意見をいただくことがあります。しかし、整備士としてドイツ車の設計思想や企業文化に長年触れてきた私の見解は少し違います。ドイツには、株主が好き勝手に経営を決めることができない「強力な防波堤」があるからです。
その正体が、ドイツ独自の「共同決定法」に基づく統治システムです。メルセデスのような大きな会社では、経営を監視する「監査役会」のメンバーの半分を、従業員の代表(労働組合など)が務めることになっています。
たとえ大株主が「技術をすべて中国に持っていけ!」と命令したとしても、ドイツの現場で働く従業員たちが首を縦に振らなければ、そんなことは不可能です。さらに、メルセデスの故郷であるバーデン=ヴュルテンベルク州政府にとっても、同社は地域の雇用とプライドを守る最重要企業。不適切な動きがあれば、政治的な介入も辞さない構えです。

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つまり、今のメルセデスは「中国の資本を賢く利用しながら、ドイツの魂を守り続けている」という状態なんですね。現場で車に触れていても、ネジ一本の配置から配線の処理に至るまで、そこには「メイド・イン・ジャーマニー」の頑固なまでのこだわりが息づいています。
株主の顔ぶれが変わっても、この「魂」が変わることはありません。むしろ、最新の技術をいち早く取り入れるために、貪欲に外部の資本を取り入れるメルセデスの柔軟性こそ、私たちが信頼すべき点なのかもしれません。
よくある質問
Q:メルセデス・ベンツの現在の正式な親会社名は?
A:現在の親会社は「メルセデス・ベンツ・グループAG」です。2022年2月に旧ダイムラーAGから社名変更され、高級乗用車・バン事業に特化した体制となりました。
Q:中国企業に買収されてしまったというのは本当ですか?
A:いいえ、買収はされていません。中国の北京汽車(約10%)や吉利(約9.7%)が大株主ですが、ドイツの法律により特定の株主が経営を独占できない仕組みが守られています。
Q:トヨタとの提携でベンツのエンジンが変わることはありますか?
A:乗用車についてはありません。トヨタとの提携は、分社化した「ダイムラー・トラック」と日野自動車による商用車部門の話であり、乗用車開発は現在もメルセデス独自で行われています。
Q:親会社の本社は今もドイツにあるのですか?
A:はい。現在もドイツのシュトゥットガルトに本社を置く独立したドイツ企業です。法的な最上位の親会社として、グループ全体の戦略やガバナンスをドイツから統括しています。
メルセデス・ベンツの親会社はラグジュアリーを追求する
さて、ここまでメルセデス・ベンツの親会社にまつわる最新事情をお話ししてきました。結論を言えば、今の親会社は「メルセデス・ベンツ・グループAG」という、ドイツに本社を置く独立した巨大グループです。彼らの現在の最優先事項は、単に車を売ることではなく、世界中の富裕層が認める「究極のラグジュアリー」と「最先端のデジタル体験」を提供することにあります。
かつてのダイムラーという巨大な「複合企業」の殻を脱ぎ捨て、乗用車とバンだけに集中する体制になったことで、メルセデスはより身軽に、より贅沢な車作りに突き進めるようになりました。Sクラスやマイバッハといったトップエンドのモデルをさらに磨き上げ、独自のOS(MB.OS)で走りを制御する。

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こうした未来図を描けるのは、親会社が自らのブランドに誇りを持ち、独立した経営判断を行っているからに他なりません。中国資本やトラック部門との提携も、すべてはこの「メルセデスというブランドの輝き」を永続させるための、緻密な戦略の一部なんです。

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整備士の私から見て、今のメルセデスはかつてないほど刺激的で、かつ信頼に足るメーカーだと感じています。親会社の形が変わっても、あの「スリーポインテッド・スター」が持つ価値は、あなたのガレージで今も、そしてこれからも変わることはありません。
この記事を通じて、親会社に関する不安が解消され、あなたのメルセデスライフがより豊かなものになれば幸いです。もし、さらなるメンテナンスの疑問や、最新モデルの特性について知りたいことがあれば、いつでも信頼できるプロの整備士に相談してみてくださいね。正しい知識を持つことが、愛車と長く付き合うための「最高級のオイル」になるはずですから。
自由なメモ
本記事に記載された社名、株主比率、役職などの情報は、2024年から2025年にかけての公開データに基づいています。
企業構造や資本構成は市場の動向により変化する可能性があるため、最新かつ詳細な情報については、必ずメルセデス・ベンツ・グループAGの公式サイトや公式のIR(投資家向け情報)をご確認ください。最終的な判断や行動はご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。