はじまして! このブログ「プレミアムカージャーナル」の運営責任者であり、現役の整備士を務めております、神崎悠真(かんざき ゆうま)と申します。
最近、整備の現場でもお客様から「メルセデス ベンツは中国の傘下に入ったの?」という質問を本当に多くいただくようになりました。130年以上の歴史を誇り、ドイツ工業力の象徴だったベンツだけに、もし中国資本に買収されたのだとしたら、ファンとしては穏やかではありませんよね。
ネットで検索すると、筆頭株主が北京汽車(BAIC)や吉利(Geely)といった中国企業であるという事実が出てきますし、ボルボのように完全に支配されてしまったのかと不安になる方も多いはずです。また、最近ではエンジンや自動運転技術の分野でも中国との提携が加速しており、ブランドの純血性が失われていくような感覚を覚えるかもしれません。
この記事では、現役整備士の視点から最新の資本関係や技術協力の実態、さらにはデンツァからの完全撤退といった気になるニュースを整理して、皆さんの疑問をスッキリ解決できればなと思います。

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記事のポイント
- 現在の筆頭株主が中国企業であるという事実の確認
- ボルボの完全子会社化とは異なる資本構造の仕組み
- 次世代モデルに搭載されるエンジンや技術の変容
- ブランドが中国市場で生き残るための戦略的な選択
メルセデス・ベンツの中国傘下入りという噂の真相
- 北京汽車と吉利集団が筆頭株主として君臨する背景
- 議決権20%を握る中国資本とドイツ本社の勢力図
- ボルボとは違うメルセデス・ベンツの独立性と資本
- 李書福氏による株式取得がブランドに与えた衝撃
- 北京ベンツとの合弁事業が支えるグループの収益
北京汽車と吉利集団が筆頭株主として君臨する背景
まず、皆さんが一番気になっている「誰がベンツの持ち主なのか」という点についてお話ししますね。整備士としてパーツをオーダーしたり技術資料を見たりしていても、最近の中国の影響力は無視できないレベルになっています。
現在のメルセデス・ベンツ・グループAGの株主構成を確認すると、実は北京汽車集団(BAIC)と、吉利(Geely)の創業者である李書福氏の二大中国資本がトップに並んでいるんです。北京汽車は約9.98%の議決権を保有しており、これが実質的な筆頭株主となります。続いて吉利側も約9.69%を保有しており、この2社だけで合計20%近い株式を握っている計算になりますね。

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なぜここまで中国資本が入り込んでいるのか。それは、メルセデスにとって中国が世界最大の市場であり、販売台数の約3分の1を占める「生命線」だからに他なりません。かつてはドイツ本国での発言力が強かったのですが、2010年代以降、グローバル戦略の中で中国との距離が劇的に縮まりました。
ネット上ではメルセデス ベンツ の 親会社について検索される方が多いですが、実際には特定の「親」がいるわけではなく、こうした巨大な中国資本が「筆頭株主」という立場で経営を支えているのが今の姿です。北京汽車との関係は2005年の合弁設立から始まり、2021年には現在の高い出資比率にまで引き上げられました。
これは単なる投資というよりも、中国政府とのパイプを太くし、巨大な現地生産拠点を安定させるための「戦略的な結婚」のようなものかなと思います。私たちが普段目にするスリーポインテッド・スターの裏側には、こうした複雑な国際情勢と資本の論理が隠されているんですね。
自由なメモ
ちなみに、この9.98%という数字は非常に絶妙です。ドイツの法規制や開示義務、さらには「敵対的買収」と見なされないための慎重な計算に基づいた数字と言われており、実質的に経営へ強い発言力を持てる最大級のラインを攻めている印象ですね。
整備の現場でも、中国製パーツの採用率が上がっているのを感じる場面があり、資本の論理が製品づくりにまで浸透しているのを実感します。
議決権20%を握る中国資本とドイツ本社の勢力図
「合計で20%も握られていたら、もう実質的にメルセデス ベンツは中国の傘下じゃないか」と感じる方もいるでしょう。確かに、特定の国の企業がこれほど高い比率で議決権を保持しているのは、ドイツの製造業の歴史の中でも異例のことです。
しかし、現場でブランドの動きを見ている私からすると、これは「支配」というよりは「切っても切れない相互依存」という表現がしっくりきます。現在の主な株主構成を以下の表にまとめてみました。
| 株主名 | 保有比率 | 特徴・背景 |
|---|---|---|
| 北京汽車集団 (BAIC) | 9.98% | 中国の国有企業。長年の合弁パートナー。 |
| Tenaciou3 Prospect (Geely) | 9.69% | 李書福氏が率いる民営企業。技術提携に積極的。 |
| クウェート政府投資庁 | 約5% | 長年の安定株主である政府系ファンド。 |
| 一般機関投資家・個人 | 約75% | ドイツを含む世界中の投資家が保有。 |
現在の正確な比率については、メルセデス・ベンツ・グループの公式IRページでも確認できます(出典:Mercedes-Benz Group AG『Shareholder Structure』)。これを見ると分かる通り、約75%は依然として市場に分散した投資家が保有しています。そのため、中国企業が独断でベンツのすべてを決定できるわけではありません。
しかし、2割の議決権は取締役の選任や重要な投資判断において、事実上の拒否権に近い重みを持つことがあります。特に将来のEVシフトやソフトウェア開発の方向性において、彼らの意向を無視することは不可能というのが、今のドイツ本社のリアルな空気感ではないでしょうか。
整備士の視点で見ても、最近の診断機などのシステムがクラウド化され、そのバックエンドで巨大なネットワークが必要とされる中、中国のITインフラとの連携は避けて通れない課題になっているように見えます。
ボルボとは違うメルセデス・ベンツの独立性と資本
よく比較対象として挙げられるのが、同じ欧州ブランドの「ボルボ・カーズ」ですよね。あちらは現在、吉利(Geely)が約78.7%という圧倒的な株式を保有しており、経営から技術開発まで完全に吉利グループの戦略の一部として組み込まれています。そのため「ボルボは中国の傘下」と断言しても間違いではありません。
しかし、メルセデス・ベンツの場合は、あくまでドイツの上場企業としての独立性を維持しています。ここが大きな違いですね。例えば、フラッグシップであるベンツゲレンデのサイズ比較などを記事にすることもありますが、こうしたアイコニックなモデルの設計思想には、今でもドイツの伝統が色濃く反映されています。
整備士として車両の構造を深く見ていても、ボルボはGeelyと共通のプラットフォーム(CMAなど)を積極的に採用し、ブランドの「中身」を統合することでコストダウンを図っています。対してメルセデスは、依然として独自のFRプラットフォームや、圧倒的な剛性を誇るボディ、高度な安全技術の自社開発にこだわっています。
資本が入っているとはいえ、ブランドの「魂」まで売り渡したわけではない、というプライドを強く感じますね。もちろん、後述するように一部のエントリーモデルでは提携が進んでいますが、SクラスやGクラスといったモデルにおいては、今でも「純血のドイツ車」としてのクオリティが守られています。
ただ、ドイツ車の維持費の高さに悩む方も多く、例えばポルシェ・カイエンの中古が安い理由として故障やメンテナンス費用が挙げられるのと同様に、メルセデスもまた、高品質を維持するためのコストとどう向き合うかがブランドの課題になっています。

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ココがポイント
つまり、ボルボは「親会社と子会社」の関係ですが、メルセデスは「対等なビジネスパートナー」としての色合いが強いんです。この微妙なバランス感覚が、スリーポインテッド・スターというブランド価値を維持するための最後の砦になっているのかなと思います。
李書福氏による株式取得がブランドに与えた衝撃
2018年に吉利の創業者である李書福氏が、市場を通じてダイムラー(当時)の株式を密かに買い集め、突如として筆頭株主に躍り出た出来事は、ドイツ経済界に大きな衝撃を与えました。これは「ダイムラーへの奇襲」とも呼ばれ、当初はドイツ国内で強い警戒感を持って受け止められました。
メカニックの間でも「これからはベンツの部品が全部吉利製になるのか?」なんて噂が流れたほどです。こうした急激な変化は、往年のファンにとってはBMWのデザインがひどい理由としてよく語られる巨大グリルの採用と同じくらい、心理的なショックが大きかったかもしれません。
李書福氏の狙いは、単なる配当金目当ての投資ではなく、当時立ち遅れていた電動化や自動運転、コネクテッド技術においてメルセデスとの強力な同盟を築くことでした。ボルボを再生させた実績を持つ彼は、メルセデスのブランド力を尊重しつつも、中国市場に最適化したスピーディーな技術開発を求めたわけです。
この動きがきっかけとなり、長年ライバルだった北京汽車も負けじと買い増しを行い、現在の「中国資本2強」の構図が出来上がりました。一人の実業家のアクションが、100年続く名門ブランドの経営基盤を根底から揺さぶり、結果として新しい技術協力の時代へと引きずり出した。
これは自動車産業の歴史における大きな転換点だったと言えますね。私たち現場の人間にとっても、この変化によって入ってくる情報の質や、新しい診断ツールのアップデート速度が変わったことをひしひしと感じています。
北京ベンツとの合弁事業が支えるグループの収益
メルセデスが中国と離れられない最大の理由は、現地での合弁会社「北京ベンツ(BBAC)」がもたらす莫大な利益にあります。中国で販売されるCクラスやEクラス、GLCのロングホイールベース仕様などは、すべて北京にある広大な工場で生産されています。
この合弁会社は北京汽車(BAIC)が51%、メルセデス側が49%という出資比率になっており、まさに「中国で作り、中国で売る」ための拠点です。実は、メルセデス・ベンツ・グループ全体の利益の相当な割合が、この北京ベンツから生み出されているんです。
その圧倒的なブランド力は、メルセデス・ベンツ日本の就職難易度が高いことからも伺えますが、グローバルでの収益源は確実にアジアへとシフトしています。

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利益の循環と電動化投資
中国市場で稼いだ資金は、そのままドイツ本国での次世代EV「EQシリーズ」の開発や、最新のソフトウェアプラットフォーム「MB.OS」の開発に投じられています。皮肉なことに、ドイツ車としての伝統を守るための莫大な開発費が、中国での販売利益によって支えられているわけですね。
現場の整備士として新型車の豪華な内装や最新機能を見るたびに、「これは中国市場のニーズを汲み取った結果なんだな」と感じる部分が多々あります。例えば、後部座席の居住性や大型のディスプレイなどは、明らかに中国の富裕層が好む仕様になっています。
かつてはメルセデスが出資比率を引き上げようと画策したこともありましたが、北京汽車側が自社でのベンツ株買い増しで対抗し、現状のパワーバランスを維持させたという経緯もあります。これほどまでに複雑に利権が絡み合っている以上、もはや「どちらが上か」という議論よりも、運命共同体として共に歩むしかないのが現在の姿と言えるでしょう。
私たち日本のユーザーに届く車も、こうした巨大な経済の歯車の一部として作られているのだと思うと、少し見方が変わるかもしれませんね。
技術も中国化?メルセデス・ベンツの中国傘下的な実態

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- 次期CLAに吉利製エンジンを搭載する戦略的理由
- スマートは既に中国製ブランドへと完全移行した
- デンツァからの完全撤退とBYDの驚異的な躍進
- 自動運転開発で中国モメンタ社と提携するメリット
- CATLのバッテリー技術への依存と今後のEV戦略
- よくある質問
- まとめ:メルセデス・ベンツの中国傘下疑惑の結論
次期CLAに吉利製エンジンを搭載する戦略的理由
皆さんが一番ショックを受けるかもしれない話が、エンジンの「中国化」です。次世代の「CLA」をはじめとするMMA(メルセデス・モジュラー・アーキテクチャ)プラットフォーム採用モデルには、吉利(Geely)とルノーの合弁会社である「Horse Powertrain」が開発したエンジンが搭載される予定です。
整備士としてこれを聞いたときは、正直驚きを隠せませんでした。「ベンツの心臓部が吉利製になるのか」という事実は、多くのファンにとっても受け入れがたいニュースかもしれません。日常的なトラブル、例えばベンツのキー電池を交換しても表示が消えないといった些細な不具合への対応とは次元の違う、ブランドの根幹に関わる大きな変化です。
しかし、これには非常に現実的な背景があります。メルセデスは2030年までの完全電動化を掲げていましたが、世界的なEV需要の減速を受けて、ハイブリッド車(HEV)の販売継続を余儀なくされました。自社で新しい内燃機関をゼロから開発するには膨大な費用がかかりますが、すでに実績のある吉利のエンジンリソースを活用すれば、コストを大幅に抑えつつ環境規制をクリアできます。
もちろん、そのまま載せるわけではなく、メルセデスの技術者がドイツで吸排気系やECUのセッティング、静粛性(NVH)のチューニングを行い、「ベンツらしいフィーリング」に仕上げるというプロセスを経ています。
現場でエンジンを降ろしたり修理したりする立場からすると、設計思想の違いがメンテナンス性にどう影響するかが気になるところですが、これまでのメルセデスの品質基準をどう維持するのか、見守っていく必要がありますね。

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ココに注意
「中身が中国製エンジンだから壊れやすいのでは?」という心配もあるかと思います。しかし、現在の吉利のエンジンはボルボでも採用されており、信頼性は世界基準に達しています。ただ、純粋なドイツ製エンジンにこだわる方にとっては、中古車市場での評価やブランドイメージにどう響くかが今後の注目ポイントですね。
最終的には、私たち整備士がしっかりとメンテナンスして、その信頼性を証明していくことになるのかなと思います。
スマートは既に中国製ブランドへと完全移行した
かつてはベンツとウォッチブランドのスウォッチが提携して生まれた「スマート」ですが、現在の姿は当時の面影とは全く異なります。2019年にメルセデスと吉利の折半出資(50:50)による合弁会社「Smart Automobile」が設立され、現在は完全に中国主導のブランドに生まれ変わりました。
最新の「スマート #1」や「スマート #3」は、プラットフォームからバッテリー、生産ラインに至るまで、吉利のEV専用プラットフォーム「SEA」をベースにしています。これは整備の現場でも話題になりますが、これまでの「ちょっと変わったドイツの小型車」という枠を完全に飛び越えた存在です。
役割分担としては、メルセデスがデザイン(内外装のスタイリング)を担当し、吉利がエンジニアリングと生産を請け負うという形です。つまり、見た目はベンツ流に洗練されていますが、車としての骨格や中身は100%「メイド・イン・チャイナ」と言えます。これは製品レベルで見れば、完全に「中国の傘下」に入った成功(あるいは転換)事例と言えるでしょう。
実際に車両を見ると、以前のスマートよりも圧倒的にデジタル機能が充実しており、大型のタッチパネルや高度な音声認識など、中国のテックパワーがブランドを再生させた一面もあります。かつてのRR(リアエンジン・リアドライブ)にこだわった設計も面白かったですが、最新のEVとしての性能は比較にならないほど向上していますね。
メモ
整備の面から見ても、これまでの独創的すぎて修理が大変だった旧型スマートに比べると、吉利の共通プラットフォームを採用したことで、部品の供給体制やメンテナンスの標準化が進むのではないかと期待している部分もあります。ただ、システムが完全にデジタル化されているため、従来の工具だけでなく、より高度なIT知識が求められるようになっています。
デンツァからの完全撤退とBYDの驚異的な躍進
中国企業との協力関係において、苦い決断を下した事例もあります。それが、EV大手のBYDと共同で立ち上げたブランド「Denza(デンツァ/騰勢)」です。2010年に「中国初の高級EVブランド」として期待を背負って誕生しましたが、初期のモデルはメルセデスの古い設計を流用したことや価格設定のミスで、長年販売が低迷していました。
私も当時の車両の資料を見たことがありますが、ドイツの頑固さと中国の当時の技術が噛み合わず、どっちつかずな印象は否めませんでした。
最終的にメルセデスは、2024年9月に残りの株式10%もすべて売却し、この合弁から完全に撤退しました。現在はBYDの100%子会社となっています。興味深いのは、メルセデスが手を引き、BYDが主導権を完全に握って最新のブレードバッテリーなどを投入した途端、高級ミニバンの「D9」が爆発的な大ヒットを記録し、ブランドが急成長したことです。
この出来事は、変化の速い中国市場において、ドイツ流の慎重な合議制や長い開発サイクルが、かえって足かせになっていた可能性を示唆しています。メルセデスにとっては失敗だったかもしれませんが、負け戦から早期に撤退し、自社ブランドに集中するという経営判断は、ある意味で非常にベンツらしい潔さだったと言えるかもしれません。
現場としては、こうした「ブランドの取捨選択」が、将来的に本家メルセデスの品質向上に繋がることを願っています。

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自動運転開発で中国モメンタ社と提携するメリット
現在の車において、エンジン以上に重要視されているのが「自動運転(AD)」と「AI」の技術です。この分野でメルセデスがパートナーに選んだのは、北京に本拠を置くユニコーン企業、Momenta(モメンタ)です。次期CLAなどの新型車には、モメンタの技術をベースにした都市部対応の高度な運転支援システムが搭載される予定です。
これは単なるナビゲーションの補助ではなく、アクセルやブレーキ、ハンドリングの多くをAIが司るシステムです。
なぜドイツではなく中国のベンチャーなのか。それは、中国の交通環境が世界で最も複雑で、膨大な走行データを収集・学習するのに適しているからです。メルセデスは北京と上海に巨大なR&D(研究開発)センターを構え、現地のエンジニアを2,000人以上雇用しています。
ここで開発された「中国基準」の自動運転アルゴリズムは、実は世界中のメルセデスを進化させるための原動力になっています。これを「リバース・イノベーション」と呼び、かつてのようにドイツの技術を中国へ持っていくのではなく、中国で生まれた最先端技術をドイツ車へ逆輸入するという、逆転現象が起きているんですね。
整備の現場でも、これからはハードウェアの交換だけでなく、こうしたAIモデルのキャリブレーション(校正)作業がメインになっていくのだなと、時代の変化を痛感しています。
レベル3自動運転の公道テスト
メルセデスは、中国の北京や上海でレベル3(条件付き自動運転)のテストライセンスを海外メーカーとして初めて取得しました。これはモメンタとの協力があったからこそ実現したスピード感であり、デジタル領域での「中国依存」は今後さらに深まっていくことは間違いありません。最新のソフトウェアがどのように走りを変えるのか、非常に興味深いですね。
CATLのバッテリー技術への依存と今後のEV戦略
EVシフトを加速させるメルセデスにとって、最も重要な部品はバッテリーです。ここで切っても切れない関係にあるのが、世界最大のバッテリーメーカーである中国のCATL(寧徳時代)です。
メルセデスは同社と長期的な供給契約を結んでおり、次世代の800Vアーキテクチャを採用するEVモデルの多くが、CATL製の最新セルを搭載します。バッテリーはEVのコストの約4割を占めると言われており、その供給源を中国企業に依存している現実は、ブランドの存続が文字通り中国の手の内に一部あることを意味しています。
新しい駆動方式の信頼性という意味では、ポルシェのpdkの耐久性の真実が長年語られてきたように、バッテリーもまた10年、15年と経過した時の劣化具合がブランドの評価を左右することになるでしょう。
また、メルセデスは別の中国メーカーであるFarasis Energy(孚能科技)にも出資しており、サプライチェーンの全方位で中国との関係を深めています。現場でEVを点検していても、バッテリーパックのラベルには中国メーカーの名前が並んでいるのが当たり前になりました。
こうした依存体制は、将来的な地政学リスクを孕んでいますが、性能とコストの両立を追求する以上、今のところこれ以外の選択肢はないというのが本音でしょう。かつてのポルシェi8(※正確にはBMW i8)のようなbmw i8に乗ってる人の実態を見ると、電動化技術の維持費や故障の現実に驚くことも多いですが、メルセデスはCATLとの提携でそのハードルをどう下げてくるのか。
私たちメカニックも最新の情報を常にアップデートしていかなければなりません。

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「ベンツがベンツであるための条件」が、かつてのエンジンの質感から、今はソフトウェアの使い勝手やバッテリーの効率に移り変わっています。その変化の激しい時代を生き抜くために、メルセデスはあえて「中国の力」をフル活用する道を選んだと言えますね。
よくある質問
Q:メルセデス・ベンツは完全に中国企業の傘下に入ったのですか?
A:いいえ、法的な買収はされていません。ボルボのような完全子会社ではなく、ドイツの上場企業として独立を維持しています。ただし、北京汽車と吉利集団の2社で合計約20%の株式を保有する筆頭株主グループとなっているのが実態です。
Q:ベンツに「中国製エンジン」が搭載されるというのは本当ですか?
A:本当です。次期CLAなどのエントリーモデルには、吉利(Geely)とルノーの合弁会社が開発したエンジンが搭載される予定です。ただし、ベンツらしい走りを実現するために、ドイツの技術者が最終的なチューニングを行っています。
Q:かつての提携ブランド「スマート」や「デンツァ」の現状は?
A:スマートは吉利との折半出資会社となり、開発・生産は完全に中国へ移管されました。一方、BYDとの合弁だったデンツァからは2024年に完全に撤退しており、現在はBYDの100%子会社となっています。
Q:なぜメルセデスはこれほど中国との提携を強めているのですか?
A:中国は世界販売の約3分の1を占める最大市場であり、収益の柱だからです。また、EV用バッテリーのCATLや自動運転AIのモメンタなど、中国の先端技術を取り入れることでグローバルな競争力を維持する狙いがあります。
まとめ:メルセデス・ベンツの中国傘下疑惑の結論

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さて、ここまで「メルセデス ベンツ 中国 傘下」というキーワードを軸に、資本、技術、そして市場戦略の裏側を詳しく見てきました。現役整備士の私の視点から結論をまとめると、メルセデス・ベンツは法的に「中国企業の傘下」に入ったわけではありませんが、実態としては「中国資本と技術に支えられた、世界で最も中国を重視するドイツブランド」に変貌したと言えます。
筆頭株主としての北京汽車や吉利の影響力、次期CLAでの吉利製エンジンの採用、さらにはスマートの中国生産移行や自動運転での提携。これらすべてが示すのは、もはや「純血のドイツ車」という言葉が幻想になりつつある現代の自動車産業の姿です。しかし、それはブランドの劣化ではなく、グローバルな競争に勝つための「進化」であると捉えることもできます。
メルセデスが持つラグジュアリーな世界観や安全性への執念が、中国のスピード感あるテクノロジーと融合したとき、どんな新しい「スリーポインテッド・スター」を見せてくれるのか。これからも一人の車好きとして、そして整備士として、その動向を注視していきたいと思います。
たとえ中身が変わったとしても、ユーザーが「やっぱりベンツにしてよかった」と思えるクオリティを維持し続けてほしいですね。
注意
この記事の内容は2025年時点の公開情報に基づく一般的な解説です。メルセデス・ベンツの経営状況や提携関係は流動的であるため、正確な投資判断や購入検討の際は、必ず公式サイトの最新ニュースを確認してください。最終的な判断は専門家にご相談されることをお勧めします。
もし最新のベンツの維持費や、実際に乗った時のトラブル事例などに興味があるなら、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。現場のリアルな声を詰め込んでいます!

中国傘下疑惑、中国製エンジン、提携強化の理由についての要約まとめスライド