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アウディの音楽再生とブルートゥース完全解説!全世代の接続方法

神崎悠真

神崎 悠真(1級自動車整備士)                       元大手メーカー勤務。現在は高級車を中心に扱う現役のメカニック兼、自動車検査員です。このブログでは、カタログのスペック表には載っていない**「故障リスク」や「本当の資産価値」**について、整備士の視点から忖度なしで解説します。                                  車選びで失敗したくない方は、ぜひ私の経歴をご覧ください。                                             資格一覧                                         自動車整備士一級、自動車検査員、中古自動車査定員、低圧電気取扱者、大型自動車第一種運転免許、中型自動車第一種運転免許、準中型自動車第一種運転免許、普通自動車第一種運転免許、牽引自動車第一種運転免許証、甲種危険物取扱者、ガス溶接技能講習修了証、全工協主催 基礎製図検定・機械製図検定、全工協主催 情報技術検定、フォークリフト運転技能講習修了証(最大荷重1t以上)、半自動溶接適格性証明書専門級、玉掛け技能講習修了証、床上操作式クレーン運転技能講習修了証(つり上荷重5t以上)、産業車両整備技能士特急、ジュニアマイスターゴールド認定

はじめまして! このブログ「プレミアムカージャーナル」の運営責任者であり、現役の整備士を務めております、神崎悠真(かんざき ゆうま)と申します。

アウディに乗っていて「電話はハンズフリーでつながるのに、スマホの音楽が車のスピーカーから流れない」と悩んだことはありませんか?実はこれ、アウディ特有のMMIの世代や仕様が大きく関係しているんです。せっかくのドライブ、お気に入りのプレイリストを高音質で楽しみたいですよね。今回は、アウディの音楽再生やブルートゥース接続に関する疑問を、整備士の視点でわかりやすく解説し、あなたの愛車に最適な解決策をご提案します。

記事のポイント

  • 自分が乗っているアウディのMMI世代と、音楽再生機能の有無
  • ブルートゥースで電話はできるのに音楽が聴けない技術的な理由
  • 古い世代のモデルでも高音質でスマホ音楽を聴くための具体的な方法
  • CarPlayやSDカードを活用した、ワンランク上のオーディオ環境の作り方

 アウディでの音楽再生とブルートゥースの基本

  • 音楽再生ができないMMI世代の確認
  • ブルートゥースがつながらない時の対処
  • 後付け機器でスマホの音楽を聴く
  • FMトランスミッターの音質と注意点
  • AMI接続で高音質な環境を作る

音楽再生ができないMMI世代の確認

アウディの中古車を購入された方や、譲り受けた方から最も多くいただく相談の一つが「スマホの音楽が流せない」というものです。

納車されたばかりの愛車でドライブに出かけようとして、この事実に直面し愕然とするオーナー様は少なくありません。「友人の国産車はもっと古い年式でもBluetoothで音楽が聴けるのに、なぜ先進的なアウディはできないの?」と驚かれるのも無理はありません。アウディの中古車選びにおける故障リスクや注意点については以前も詳しく解説しましたが、実はインフォテインメントシステムである「MMI(Multi Media Interface)」の仕様確認も、エンジンや足回りのチェックと同じくらい重要なポイントなのです。

MMIはアウディ独自の統合制御システムであり、世代によって機能が大きく異なります。特に混乱を招きやすいのが、2008年から2012年頃に製造されたモデルです。この時期はまさにiPhone 3Gが登場するなどスマートフォンの黎明期であり、車載システムの設計思想が「携帯電話=通話のための道具」から「スマートフォン=マルチメディアプレーヤー」へと切り替わる過渡期でした。

そのため、プレミアムブランドであるアウディであっても、この時代のモデルは「Bluetooth通話はできるが、音楽再生には対応していない」という、現代の感覚からすると少しチグハグな仕様になっていることが多いのです。

ガラケー時代の2008年アウディMMI設計思想と音楽再生機能の欠如

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まずは、ご自身の車がどの世代のMMIを搭載しているか、以下の手順と表を使って正確に確認しましょう。これがすべての対策の第一歩となります。

アウディMMIのバージョン情報を確認する操作画面の手順

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MMI世代の見分け方

MMIのコンソールにある「MENU」ボタン(またはSETUP)を押し、「設定」>「バージョン情報」へと進んでください。そこに表示される「ソフトウェアバージョン」の先頭の文字を確認することで、世代を特定できます。

MMI世代 バージョン表記 目安年式 Bluetooth音楽対応状況
MMI 2G High SW: XX-XX... ~2009年 ×(基本的に非対応)
※通話のみ可
MMI 3G Basic / High BNav / HNav 2009~2012年 ×(基本的に非対応)
※AMI経由等が必要
MMI 3G+ (Plus) HN+ / HN+R 2012~2016年 △~○(対応)
※初期設定で無効の場合あり
MIB 1 / MIB 2以降 MHI2 / MSTD... 2013年~ ◎(完全対応)
※アルバムアート表示も可

例えば、「2010年式のA4アバント」の場合、表で見るとMMI 3G High世代に該当する可能性が高く、純正の状態では音楽を無線で飛ばせないケースがほとんどです。しかし、これがアウディA1のようなコンパクトモデルであっても、A8のようなフラッグシップであっても、MMIの世代が同じであれば抱える悩みは共通しています。ですが、ご安心ください。非対応の世代であっても、後述する方法で現代車同様の快適さを手に入れることは十分可能です。

ブルートゥースがつながらない時の対処

「スマホのBluetooth設定画面には『Audi MMI』と表示されていて、接続済みになっている。でも、YouTubeやSpotifyの音が車から出ない!」

この現象、整備の現場でも本当によく相談されます。お客様と一緒に車に乗り込んで確認すると、確かに画面上は「接続中」になっているのですが、音だけがスマホ本体から出たり、あるいは完全な無音だったりするのです。これはアウディで発生しがちなブレーキサーボ故障のような深刻な機械トラブルとは異なり、単純な「プロファイル」のミスマッチが原因であることがほとんどです。

少し専門的な話になりますが、Bluetooth接続には「何をするために繋ぐのか」という目的別に「プロファイル」という通信規格が厳密に決められています。ここを理解すると、なぜ繋がらないのか、その理由がすぐに分かります。

Bluetooth通話プロファイルHFPと音楽プロファイルA2DPの違い図解

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ココに注意

重要な2つのプロファイル

  • HFP (Hands-Free Profile): 電話の音声をやり取りするための規格です。データ量が少なく、音質は通話に必要最低限のレベル(モノラル)です。
  • A2DP (Advanced Audio Distribution Profile): 音楽を高音質でステレオ再生するための規格です。大量の音声データを途切れさせずに送る能力が必要です。

古い世代のMMI(2Gや3G初期)は、ハードウェアの設計段階で「HFP(電話)」しか搭載していないケースが多いのです。当時は車で音楽を聴くならCDチェンジャーかMD、あるいはiPodを有線で繋ぐのが当たり前だったからです。そのため、スマホ側が現代の常識で「音楽データ(A2DP)」を送ろうとしても、車側が「そのデータの受け取り口は持っていません」と拒否してしまうのです。

一方、もしあなたの車がMMI 3G+(2012年以降)やMIB世代の比較的新しいモデルであるにもかかわらず音が出ない場合は、単なる設定漏れの可能性があります。

Androidスマホをお使いの場合は、Bluetooth設定画面から「接続済みのデバイス」を開き、Audi MMIの横にある歯車アイコンをタップしてください。そこに表示されるメニューの中で「メディアオーディオ」のチェックボックスが外れていないか確認しましょう。ここがオフになっていると、電話はできても音楽は流れません。

iPhoneの場合は、コントロールセンターの再生画面右上のアイコンをタップし、出力先が「iPhone」ではなく「Audi MMI」になっているか確認してください。Bluetoothイヤホンを使った直後などは、接続はされているのに出力先が自動で切り替わらないことがあります。

後付け機器でスマホの音楽を聴く

では、純正で音楽再生に対応していないモデル(MMI 2Gや3G Highなど)に乗っている場合、どうすればいいのでしょうか?「毎回SDカードに曲を移したり、CDを焼き続けるしかないの?」と落胆する必要はありません。私たち整備士が推奨する、いくつかの解決策があります。

基本的には、車両に備わっている「外部入力機能」を活用して、そこにBluetoothを受信する機能を持った社外品のアダプターを取り付けるというアプローチになります。配線が見えないようにスマートに取り付けることも可能ですので、それぞれの方法を見ていきましょう。

1. AUX(外部入力)端子を使う

まずは、センターコンソールの中やアームレストの下を確認してください。「AUX」と書かれた3.5mmのイヤホンジャックのような穴はありませんか?

もしこれがあれば、解決は非常に簡単です。市販の「Bluetoothオーディオレシーバー」を購入し、このAUX端子に接続するだけです。Ankerなどの有名メーカーからも数千円で販売されており、シガーソケットから電源を取るタイプが一般的です。

メリットは安価で導入できることですが、デメリットとしては、曲送りなどの操作をスマホ画面で行う必要があることや、配線がコンソール周りに出てしまうことでしょう。DIYが得意な方であれば、内装パネルを外して電源を裏取りし、配線を隠すことも可能ですが、自信がない場合はプロに依頼するのも一つの手です。

2. AMI(アウディミュージックインターフェース)を使う

次に、グローブボックスの中を覗いてみてください。長方形の特殊な形状をしたコネクタ「AMIポート」がある車両であれば、この方法が最もおすすめです。

AMIは、元々iPodなどを有線で接続するためのアウディ独自のインターフェースですが、ここに専用の「Bluetoothアダプター」を接続することで、あたかもiPodがつながっているかのように見せかけて、無線で音楽を飛ばせるようになります。

アウディのグローブボックス内AMIポートにBluetoothアダプターを接続する様子

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必要なモノ

  • AUX端子がある場合:Anker Soundsyncなどの汎用Bluetoothレシーバー(安価で手軽、音質はそこそこ)
  • AMIポートがある場合:InveryやTune2AirなどのAMI専用Bluetoothアダプター(純正ライクな操作感、高音質)
  • どちらもない場合:後述するFMトランスミッター、または専門ショップでのインターフェース増設

ご自身の車両にどちらのポートがあるかによって、選ぶべき製品が変わります。まずは愛車のコンソール周りとグローブボックス内を懐中電灯などで照らしながらチェックしてみましょう。

FMトランスミッターの音質と注意点

もっと手軽な方法として「FMトランスミッター」を思い浮かべる方も多いと思います。カー用品店やネット通販で簡単に手に入り、シガーソケットに挿すだけで使えるので、非常にポピュラーなアイテムですよね。

しかし、プレミアムカーであるアウディオーナー様には、正直なところあまりおすすめしていません。整備士として多くのお客様の車を見てきましたが、FMトランスミッターを使っている方の多くが「音が悪い」「ノイズが入る」といって、結局別の方法に乗り換えているからです。

AUX端子の活用とFMトランスミッターの音質・法的リスクの警告

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ココがダメ

音質が著しく低下する
FMトランスミッターは、スマホの音声を一度アナログの「FMラジオ波」に変換して飛ばし、それを車のアンテナで受信してラジオとして再生する仕組みです。この変換過程で、どうしても「サーッ」というホワイトノイズが乗ったり、高音や低音がカットされたりして、全体的に「ラジオっぽい薄い音」になってしまいます。B&Oなどの高級スピーカーがついている場合、その性能を全く活かせません。

混信のリスクと法律の問題
都心部ではFM放送局やコミュニティFMが増えており、空いている周波数を見つけるのが困難です。走行中に他車のトランスミッターや放送波と混信し、ザザッという不快なノイズが入ることがストレスになりがちです。

さらに重要なのが、電波法に関する問題です。安価な海外製のFMトランスミッターの中には、日本国内の電波法の基準(微弱無線局)を超えた強い電波を出す違法な製品も紛れています。これらを使用すると、知らず知らずのうちに法律違反になってしまうリスクがあります。

総務省もこの点について注意喚起を行っており、基準を満たさない機器の使用は他の無線通信への妨害となる可能性があります。詳しくは総務省の以下のページなども参考にしてください。
(出典:総務省 電波利用ホームページ『微弱無線局の規定』

どうしても使用する場合は、「JAPAN AVE.」など、日本の電波法に適合し、かつ日本国内の周波数事情(76.0MHz - 90.0MHz)に最適化された高品質な正規モデルを選ぶようにしましょう。

AMI接続で高音質な環境を作る

私が個人的に最もおすすめするのは、先ほど少し触れた「AMIポートを使ったBluetooth化」です。もしグローブボックスにAMIポートがあるなら、迷わずこの方法を選ぶべきです。

この方法の最大のメリットは、デジタル(または極めて高品質なラインレベル)で音声をMMIに入力できることです。FMトランスミッターのように一度電波に変換するロスがないため、CDや有線接続とほとんど変わらないクリアで厚みのある音が楽しめます。アウディ純正のスピーカー性能をしっかりと引き出すことができるのです。

AMIアダプターのメリット

ステアリングスイッチが使える!
ここが非常に大きなポイントです。AMIアダプターは、車側に対して「iPodがつながっている」と認識させます。そのため、車のハンドルについているボタンやセンターコンソールのダイヤルで「曲送り/曲戻し」の操作が可能になるのです。運転中にスマホを触る必要がないので、安全面でも非常に優れています。

曲名表示ができる場合も
製品とスマートフォンの組み合わせ(特にiPhoneとApple Musicを使用している場合など)によっては、MMIの画面に曲のタイトルやアーティスト名が表示されることもあります。純正ナビの画面に情報が出るだけで、満足度は大きく上がりますよね。

具体的な製品としては、「Tune2Air(チューン・トゥ・エア)」や「Invery(インベリー)」といったブランドが有名で信頼性が高いです。Amazonなどで数千円から1万円程度で販売されています。安価なノーブランド品もありますが、接続の安定性や音質、エンジン始動時の自動再接続のスムーズさを考えると、これら定評のあるブランドを選ぶのが無難です。

ただし、MMI 2G世代(2009年以前の一部)の場合、AMIポートからの電源供給ができない仕様の車があります。その場合は、別途USBで電源を供給できるタイプのアダプターを選ぶ必要があるので、購入前の適合確認だけは念入りに行ってくださいね。

アウディの音楽再生やブルートゥースの最適解

  • 曲名が表示されないトラブルの解決
  • CarPlay導入で快適な操作を実現
  • SDカードを活用したハイレゾ再生
  • アプリを直接利用する最新機能
  • よくある質問
  • アウディの音楽再生とブルートゥース総括

曲名が表示されないトラブルの解決

MMI 3G+やMIB世代で、Bluetooth接続自体は成功して音楽も流れているのに、「画面に曲名が出ない」「ずっと『読み込み中』のままになる」あるいは「Unknown Artistと表示される」というトラブルもよく耳にします。

地味な問題ですが、せっかくのディスプレイに情報が出ないと寂しいですよね。これは多くの場合、スマホ側のOSアップデートやアプリの仕様変更がきっかけで、Bluetoothの通信規格である「AVRCP(Audio/Video Remote Control Profile)」のバージョンが車側と噛み合わなくなることが原因です。

この問題を解決するために、以下のステップを試してみてください。意外とシンプルな操作で直ることが多いですよ。

iPhoneとAndroidのBluetooth設定画面とペアリング解除の手順

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試してほしい解決策

  1. ペアリングの完全削除と再登録
    まずは基本中の基本です。スマホのBluetooth設定から「Audi MMI」の登録を解除(削除)し、同時に車のMMI設定からも登録済みのスマホを削除します。その後、エンジンを再始動してから一からペアリングし直してください。これだけで情報の同期がリセットされて直ることがあります。
  2. ローカルの曲を再生してみる(iPhoneユーザー向け)
    Apple Musicなどのストリーミング再生時のみ情報が出ない場合によく効く裏技です。iPhoneの「ミュージック」アプリ内に、ストリーミングではなくダウンロード購入した(またはiTunesから同期した)曲を1曲でも良いので保存しておき、それを一度再生してください。するとMMIがデータベースを認識し始め、その後ストリーミングに戻しても曲名が表示されるようになることがあります。
  3. Androidの場合:開発者オプション(上級者向け)
    Androidの設定メニューにある「開発者向けオプション」を開き(ビルド番号を連打して表示させます)、その中の「Bluetooth AVRCPバージョン」という項目を探します。デフォルトが1.5や1.6になっている場合、これを「1.4」や「1.3」に下げてみてください。古いMMIとの互換性が向上し、メタデータが正しく送られるようになるケースが多く報告されています。

CarPlay導入で快適な操作を実現

「古いMMIのナビ地図は古くて使いにくいし、スマホで音楽を選ぶのも面倒…」
そんな方には、思い切って「CarPlay / Android Autoインターフェース」を導入するのが、現代における最強のソリューションかもしれません。

これは、純正のMMIシステムを生かしつつ、専用のインターフェースボックスを割り込ませることで、純正モニター上でApple CarPlayやAndroid Autoを使えるようにするというカスタムです。見た目は純正そのままに、中身だけ最新のスマホ連動システムにアップグレードできるのです。

アウディ純正画面でのApple CarPlay表示とハイレゾ再生用SDカードスロット

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ココがおすすめ

ナビも音楽も一括管理
常に最新のGoogleマップやYahoo!カーナビが純正画面で使えるようになるのは革命的です。同時に、SpotifyやAmazon Music、Apple Musicの操作画面も車載用に最適化されたデザインで表示され、非常に洗練されています。

音声操作が可能に
「Hey Siri、ジャズをかけて」「OK Google、近くのガソリンスタンドへ」といった音声操作が可能になります。運転中に視線を外さずに操作できるため、安全性も飛躍的に向上します。

費用は機器代と工賃を含めて10万円前後かかることが一般的ですが、車の使い勝手が劇的に変わるため、長く乗るつもりなら投資する価値は十分にあります。

また、最近のモデル(2017年以降など)ですでに有線のCarPlayがついている車両なら、大掛かりな工事は不要です。「Ottocast(オットキャスト)」などのドングル製品をUSBポートに挿すだけで、ワイヤレスCarPlay化することも可能です。これなら乗車するたびにケーブルを挿す手間から解放され、よりスマートなアウディライフが実現します。

SDカードを活用したハイレゾ再生

ここまでワイヤレス接続の話をしてきましたが、もしあなたが音質に徹底的にこだわるタイプで、「Bang & Olufsen」などのプレミアムオーディオオプションを装着しているなら、あえてアナログな手法、つまりSDカードを使った再生もぜひ試していただきたいです。

ブルートゥースは非常に便利ですが、どうしても無線でデータを飛ばす際に圧縮処理が入るため、微細な音の情報が削ぎ落とされてしまいます。しかし、SDカードによる直接再生なら、その劣化を回避できるのです。

SDカード再生の強み

  • 安定感抜群:電波干渉による音飛びや、接続切れのストレスが物理的に存在しません。トンネルの中でも山奥でも、常に最高のパフォーマンスを発揮します。
  • ハイレゾ対応(MIB 2以降):ここが最大のポイントです。2016年頃以降のMMI(MIB 2)では、FLACファイルなどのロスレス(可逆圧縮)フォーマットの再生にネイティブ対応しています。CDを超える情報量を持つハイレゾ音源をそのまま再生でき、音の奥行き、静寂感、楽器の質感が段違いに向上します。

パソコンを使ってSDカードに曲をコピーする手間はかかりますが、ドライブ用の「本気セットリスト」を一枚作ってスロットに入れておくと、特別な日のドライブや一人でじっくり音楽を楽しみたい夜に、最高の空間を提供してくれます。B&Oのツイーターが真価を発揮する瞬間を、ぜひ体験してみてください。

アプリを直接利用する最新機能

最後に、最新の「MIB 3」世代(2020年以降のモデル)についても触れておきます。この世代では、もはやスマホを繋ぐことすら必要なくなりつつあります。

最新のMMIには通信モジュールが内蔵されており、「Function on Demand」などの機能を通じて、Apple MusicやSpotify、Amazon Musicといったストリーミングサービスのアプリを、車載器(MMI)自体に直接インストールできるモデルが増えています。

これはスマホのミラーリングではなく、車自体がインターネットに繋がり、直接音楽データを取得して再生する仕組みです。そのため、スマホのバッテリーを消費することもありませんし、着信通知に音楽を邪魔されることもありません。データ通信も車両側のプランを使用するため、安定した高品質なストリーミングが可能になります。

例えば、2025年に日本発売となる新型アウディA3など、最新世代のモデルでは、文字通り「車が巨大なスマホになった」ような感覚で、シームレスにデジタルライフを楽しめるようになっています。技術の進化は本当に早いですね。私たち整備士も、新しいシステムのセットアップや不具合対応のために、日々の情報のキャッチアップに必死です(笑)。

よくある質問

Q:Bluetoothで電話は繋がるのに、なぜ音楽だけ流れないのですか?

A:MMIの世代が古く、通話用プロファイル(HFP)のみで音楽用(A2DP)に対応していないためです。2011年以前のモデルに多い仕様で、この場合AMIアダプター等の外部機器が必要です。

Q:純正で非対応のアウディで、一番おすすめの音楽再生方法は?

A:グローブボックスにAMIポートがあるなら、「AMI用Bluetoothアダプター」が最適です。有線並みの高音質に加え、ハンドルのボタンで曲送りなどの操作が可能になります。

Q:Bluetooth接続済みになっているのに音が出ない場合は?

A:スマホ側の設定を確認してください。AndroidはBluetooth設定の「メディアオーディオ」がONか、iPhoneは出力先が「Audi MMI」になっているかを確認しましょう。

Q:曲名が表示されない、または「読み込み中」になる時の対処法は?

A:ペアリングの完全削除と再登録を試してください。それでも直らない場合、Androidなら開発者オプションでAVRCPバージョンを変更すると改善することがあります。

アウディの音楽再生とブルートゥース総括

アウディで音楽を聴くためのMMI世代別解決策まとめチェックリスト

プレミアムカージャーナル

今回は「アウディ 音楽 再生 ブルートゥース」というテーマで、世代ごとの特徴や対策を深掘りしてきました。長文にお付き合いいただきありがとうございます。

アウディはデザインも走行性能も素晴らしい車ですが、IT技術、特にインフォテインメントシステムに関しては、製造された時期によって仕様が大きく異なり、少し工夫が必要なことも事実です。しかし、それは「音楽が聴けない」ということではありません。

純正機能が対応していなくても、AMIアダプターのようなスマートなアイテムを使ったり、設定を少し見直したり、あるいはCarPlayインターフェースのような最新技術を導入したりすることで、現代の車と変わらない、あるいはそれ以上にこだわった快適な音楽空間を取り戻すことができます。

まとめ

  • まずは自分のMMI世代を確認する(2G/3Gか、3G+以降か)。これがすべての始まりです。
  • 純正でBluetooth音楽非対応なら、AMIアダプターが音質・操作性ともにベストな選択肢です。
  • 手軽さ重視ならFMトランスミッターもありですが、音質には妥協が必要ですし、国内法適合品を選びましょう。
  • 予算が許すなら、CarPlayインターフェース導入で一気に現代化するのも非常に満足度が高いです。
  • 音質重視なら、あえてSDカードでのハイレゾ再生という「通」な楽しみ方もあります。

毎日の通勤や休日のロングドライブ、良い音楽と良い音が一緒なら、運転の疲れも吹き飛び、もっと楽しくなるはずです。この記事が、あなたのアウディライフをより豊かで快適なものにするヒントになれば、整備士としてこれほど嬉しいことはありません。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!安全運転で、最高のアウディライフを楽しんでくださいね。

※本記事で紹介した社外品の取り付けや設定変更は、車両の仕様や年式により正常に動作しない場合があります。実施の際は製品の適合をよく確認し、自己責任にてお願いいたします。

  • この記事を書いた人

神崎悠真

神崎 悠真(1級自動車整備士)                       元大手メーカー勤務。現在は高級車を中心に扱う現役のメカニック兼、自動車検査員です。このブログでは、カタログのスペック表には載っていない**「故障リスク」や「本当の資産価値」**について、整備士の視点から忖度なしで解説します。                                  車選びで失敗したくない方は、ぜひ私の経歴をご覧ください。                                             資格一覧                                         自動車整備士一級、自動車検査員、中古自動車査定員、低圧電気取扱者、大型自動車第一種運転免許、中型自動車第一種運転免許、準中型自動車第一種運転免許、普通自動車第一種運転免許、牽引自動車第一種運転免許証、甲種危険物取扱者、ガス溶接技能講習修了証、全工協主催 基礎製図検定・機械製図検定、全工協主催 情報技術検定、フォークリフト運転技能講習修了証(最大荷重1t以上)、半自動溶接適格性証明書専門級、玉掛け技能講習修了証、床上操作式クレーン運転技能講習修了証(つり上荷重5t以上)、産業車両整備技能士特急、ジュニアマイスターゴールド認定

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