はじめまして! このブログ「プレミアムカージャーナル」の運営責任者であり、現役の整備士を務めております、神崎悠真(かんざき ゆうま)と申します。
街中やサービスエリアで、美しいウイングエンブレムを掲げた超高級車を見かけると、思わず見惚れてしまいますよね。しかし、アストンマーチンとベントレーのロゴはどちらも「翼」をモチーフにしているため、遠目からではどっちのブランドかな?と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
実は私自身、整備の現場に入る前は、この2つのブランドのバッジの違いをはっきりとは理解していませんでした。どちらも英国を代表する気品溢れるデザインですが、その細部には全く異なるブランド哲学が隠されています。
この記事では、アストンマーチンとベントレーのロゴの見分け方はもちろん、なぜアストンマーチンの由来が虫だと言われているのか、そしてベントレーの羽の数に隠された意外な秘密について、現役整備士の視点を交えながら詳しく解説していきます。それぞれのロゴが持つ意味や歴史的背景を知ることで、次にお気に入りの一台に出会ったときの感動がより深いものになるはずですよ。
一見似ているようでいて、実は正反対のストーリーを持つ2つの紋章の世界を、一緒に覗いてみましょう。

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記事のポイント
- アストンマーチンとベントレーのロゴを直感的に見分けるための決定的なポイント
- アストンマーチンの翼に秘められた古代エジプト神話と再生の象徴
- ベントレーのロゴが伝統的に左右非対称で作られている理由と偽造防止の歴史
- 2025年に向けた最新のリブランディング情報と未来の光るエンブレムの動向
アストンマーチンとベントレーのロゴの見分け方と起源
- 翼の形状から導き出すロゴの簡単な見分け方
- アストンマーチンのロゴの由来はエジプトの神聖な虫
- スカラベが象徴する再生とアストンマーチンロゴの意味
- ベントレーのロゴの羽の数が左右非対称である理由
- 偽造防止策だった左右非対称なベントレーロゴの羽の数
- ベントレーのエンブレムの色が示すグレード別の意味
翼の形状から導き出すロゴの簡単な見分け方
アストンマーチンとベントレー、どちらも英国を象徴する美しい「翼」をエンブレムに採用していますが、その見分け方は実はとてもシンプルです。まずは、全体のシルエットに注目してみてください。アストンマーチンのロゴは、翼の先端がわずかに上を向いた「V字型」のラインを描いています。
整備士としてフロントグリルを間近で見ることが多いのですが、アストンマーチンの翼は、付け根から先端に向かって斜め上に伸びるような、軽やかでスピード感のある「アスリート」のような印象を与えます。これは後述する「スカラベ」が羽を広げた瞬間を模しているためで、非常にスタイリッシュですね。

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対するベントレーのロゴは、翼が真横に力強く広がった「水平でワイド」なラインが特徴です。どっしりとした重厚感があり、大地を堂々と走る「王者」のような風格をロゴからも感じます。中央に配置された要素も大きな識別ポイントです。アストンマーチンの場合は、中央の緑色のボックスの中に「ASTON MARTIN」とブランド名がフルネームで刻まれています。
これに対し、ベントレーは大きな楕円の中に、創業者のイニシャルであるアルファベットの「B」が鎮座しています。遠目で見分けるコツとしては、ロゴ全体が少し吊り上がって見えればアストン、真っ直ぐ横に長く見えればベントレー、と覚えると分かりやすいですよ。
このように、細かな意匠の違いを知るだけで、街中で走り去る高級車を一瞬で識別できるようになります。アストンマーチンは「Art(芸術)」、ベントレーは「Engineering(工学)」を象徴しているとも言われますが、その哲学はロゴの線の太さや角度一つひとつに現れています。
どちらも魅力的ですが、整備の現場でこれらの車を預かるとき、フロントのバッジを磨き上げる瞬間はいつも特別な緊張感と喜びがありますね。
現役整備士が教える!ロゴの見分け方クイックガイド
- アストンマーチン:翼が「V字」に反っており、中央にフルネームの社名がある。
- ベントレー:翼が「水平」でどっしりしており、中央に大きな「B」のイニシャルがある。
アストンマーチンのロゴの由来はエジプトの神聖な虫
「アストンマーチンのロゴの由来は何ですか?」と聞かれたとき、多くの人は「鳥の翼」と答えるでしょう。しかし、自動車の歴史を深く紐解いていくと、意外な事実に突き当たります。実は、アストンマーチンの翼は鳥ではなく、「スカラベ」という甲虫(虫)の羽がモチーフになっているのです。
これは、1920年代にイギリスで起きた空前のエジプトブームが大きく関係しています。1922年にハワード・カーターがツタンカーメン王の墓を発見したことで、当時のイギリス社交界はエジプト一色に染まっていました。その流行の中にいたのが、レーシングドライバーであり、自動車雑誌の編集者でもあったサミー・デイビス(S.C.H. Davis)という人物です。
彼が1927年にデザインしたロゴは、スカラベがその鞘翅(さやばね)を広げた姿を忠実に再現しようとしたものでした。スカラベとは、いわゆる「フンコロガシ」のことですが、当時のエジプト学においてこの虫は非常に高貴な存在でした。初期のバッジをよく見ると、現在の直線的なラインとは異なり、どこか昆虫特有の有機的で複雑な節のようなディテールが見て取れます。
整備の仕事で古いクラシックカーのパーツを扱うこともありますが、当時の手作り感溢れるバッジには、今のデジタルなロゴにはない独特の生命力が宿っているように感じます。「なぜ高級車に虫なのか?」と不思議に思うかもしれませんが、当時のイギリス人にとってスカラベは、単なる虫ではなく神秘的で高貴な象徴だったのですね。
この意外性が、アストンマーチンというブランドに一種のミステリアスな魅力を与えているのだと思います。

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デイビスが描いた1927年の初期デザインは、現在のスタイリッシュな翼とは異なり、より直立したV字型の羽を持つものでした。それは鳥の翼のような柔らかさではなく、甲虫の硬い鞘翅が展開した力強さを模していたのです。このこだわりが、後世の「アール・デコ様式」と融合し、1932年には現在の水平に近い洗練されたデザインへと磨き上げられていきました。
ロゴの由来が虫であるという事実は、アストンマーチンが単なる工業製品ではなく、当時の文化や思想を色濃く反映した「文化遺産」であることを物語っていますね。
スカラベが象徴する再生とアストンマーチンロゴの意味
では、なぜサミー・デイビスは数あるシンボルの中からわざわざスカラベを選んだのでしょうか。そこには、当時のアストンマーチンが置かれていた厳しい状況と、そこからの「復活」への願いが込められています。古代エジプトにおいて、スカラベは太陽を転がして運ぶ太陽神「ケプリ」の使いとされ、「再生」「復活」「創造」の象徴として神聖視されていました。
当時のアストンマーチンは経営難に直面し、倒産と再起を繰り返していた時期でした。デイビスは、この「何度でも蘇る」というスカラベの持つ力強いメッセージを、新生アストンマーチンの門出に重ね合わせたのです。
高級ブランドが歩む道は、常に順風満帆ではありません。例えば、輸入車を代表するメルセデス・ベンツの親会社についても、歴史の中でダイムラーからメルセデス・ベンツ・グループへと再編されるなど、多くの変遷があります。アストンマーチンも同様に、資本が入れ替わりながらもそのスピリットを守り続けてきました。
整備士として日々車と向き合っていると、事故や故障でボロボロになった車が再び美しく走り出す瞬間に「再生」を感じることがあります。ロゴに込められた「不屈の精神」は、ブランドそのものが持つ生命力の強さを表しているんですね。
アストンマーチンのオーナー様の中には、こうした背景を知ってさらに愛車への愛着が深まったという方もいらっしゃいます。ロゴの背景にあるのは、単なる視覚的な美しさだけではありません。それは、絶望的な状況から何度も立ち上がってきたイギリスの職人たちの、誇りと魂の記録でもあるのです。
フロントを飾るあのグリーンのエンブレムは、太陽神の加護を受けた「再生の象徴」であり、ドライバーを守る護符のような役割も果たしているのかもしれません。スカラベというモチーフは、アストンマーチンが持つ「美しさと力強さ」の根源を象徴しているのです。
ベントレーのロゴの羽の数が左右非対称である理由
アストンマーチンが「神秘」のブランドなら、ベントレーは「工学」と「誇り」のブランドです。ベントレーのシンボルである「ウイングドB」をじっくり観察してみてください。実はこのロゴ、左右の羽の枚数がわざと違えて作られているという、非常にマニアックな特徴があるんです。
アストンマーチンが完全な左右対称の美を追求したのに対し、ベントレーはあえてその均衡を崩しました。このデザインを担当したのは、著名なアーティストであるF.ゴードン・クロスビー。彼は、創業者W.O.ベントレーが第一次世界大戦中に設計していた航空機エンジンの力強さを表現するため、この翼を考案しました。
「なぜ左右対称ではないのか?」という疑問は、車好きの間でもよく話題にのぼります。一つ目の理由は、視覚的なダイナミズムです。わずかに非対称にすることで、静止していてもまるで翼が風を切って動いているかのような「躍動感」を生み出していると言われています。
一般的には、左側の羽が10枚、右側の羽が11枚(年代により13/14枚などバリエーションあり)という構成が伝統的です。整備の際、フロントグリルに光が当たったときの影の落ち方を見ていると、この非対称さが生む立体感には目を見張るものがあります。
ベントレーという車は、圧倒的なパワーと静粛性を兼ね備えていますが、その複雑なキャラクターがこの「アンバランスな美」に集約されているような気がしてなりません。
W.O.ベントレー自身が航空技術者としてのプライドを持っていたことから、この翼は単なる鳥の羽ではなく、戦闘機のプロペラやエンジンの血脈を感じさせるものとしてデザインされました。工学的に完璧を目指しながら、デザインには遊び心と生命感を宿らせる。
この絶妙なバランスこそが、世界中のセレブリティを虜にするベントレーの魅力の源泉なのです。

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左右非対称という、一見すると不合理な選択の中にこそ、ベントレーというブランドが持つ「人間味」と「職人のこだわり」が隠されています。
偽造防止策だった左右非対称なベントレーロゴの羽の数
左右非対称の羽の数には、実はもう一つ、非常に実用的で「エンジニアらしい」理由がありました。それは、当時のブランドを守るための「偽造防止策(コピーガード)」としての役割です。1920年代、ベントレーの人気が高まるにつれ、そのブランド力に便乗した質の低い模造品やコピーパーツが出回るようになりました。
しかし、当時のコピー業者の多くは「エンブレムの翼は当然左右対称だろう」と思い込み、疑いもせずに左右同じ枚数の羽を持つ偽バッジを作ってしまったのです。
そこでベントレーは、本物を見分けるための「隠しサイン」として、羽の数に差異を設けました。高級車の世界では、こうした真正性の証明はいつの時代も重要です。例えば、歴史的な名車であるメルセデス・ベンツSSKの本物を見分けるのが極めて難しいように、高級車の価値を守るためにはこうした巧妙な仕掛けが必要でした。
現代のデジタル技術を用いた偽造防止とは異なり、当時はこうした物理的な造形の「ひねり」が最高のセキュリティだったのです。職人が一枚一枚の羽を数えて確認していた時代を想像すると、ブランドのプライドを守るための当時の人々の知恵に脱帽します。
自由なメモ
ベントレーのロゴがロールス・ロイス傘下時代に一時的に左右対称にされた時期もありましたが、フォルクスワーゲングループ傘下で「ルーツ回帰」が進んだ結果、再びこの伝統的な非対称デザインが復活しました。ブランドの誇りを取り戻そうとする姿勢が、この羽の数一枚一枚に込められているんですね。
このように、ベントレーのロゴは単なる装飾ではなく、自社の製品が本物であることを証明するための「証明書」のような役割も果たしていました。整備の現場でも、純正部品と社外品を見分ける際には、こうした細部の造り込みの差が決定的な証拠になります。歴史を辿ると、エンブレム一つにこれほどまでの知略が巡らされていたことに驚かされます。
ベントレーのオーナーになるということは、こうした「真実」を守り続けてきた歴史を所有することでもあると言えるかもしれませんね。

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| 項目 | アストンマーチン | ベントレー |
|---|---|---|
| 主なモチーフ | スカラベ(昆虫・エジプト神話) | ハヤブサ・航空機エンジン |
| 左右の対称性 | 完全な左右対称 | 伝統的に左右非対称 |
| 羽の由来 | 再生と創造(神聖な虫) | スピードと技術(猛禽類) |
ベントレーのエンブレムの色が示すグレード別の意味
ベントレーのロゴを見分ける上で、翼の形と同じくらい重要なのが、中央の「B」を取り囲む楕円の色、通称「ラベル(バッジ)」の色です。この色は、その車に搭載されているエンジンの種類や、そのモデルが目指した方向性を表す重要な「コード」になっています。
整備士としてエンジンルームを開ける際、このバッジの色と中身のエンジンの整合性を確認するのは基本中の基本です。かつてのベントレーでは、この色を見ればその車のスペックが瞬時に判断できる仕組みになっていました。
代表的なものに、圧倒的なパワーを象徴する「ブラック・レーベル」があります。これは主に、W12エンジンを搭載した「Speed」などのハイパフォーマンスモデルに使用され、究極の走行性能を求めるオーナーに向けた証です。一方、「レッド・レーベル」はV8エンジン搭載車に多く見られ、より軽快でエモーショナルな走りを楽しむモデルに冠されてきました。
また、最も歴史のある「グリーン・レーベル」は、洗練された乗り心地と伝統的な気品を重んじるグランドツーリングカーの象徴です。さらに、100周年記念の2019年モデルには特別な「センテナリー・ゴールド」が採用されるなど、色は常にブランドのメッセージを代弁してきました。
現代におけるバッジの色の変化
ただし、近年のモデルでは、オーナー様の好みに合わせたパーソナライゼーションが進んだ結果、必ずしも「色=エンジン」という厳格なルールが適用されないケースも増えています。例えば、あえてブラックのバッジを選んでスポーティな外観に仕上げるカスタマイズも人気です。
正確なグレードを判断するには、バッジの色だけでなく、サイドのベント形状やマフラーの出口数なども併せてチェックするのが、私たちメカニックの流儀です。こうした「色の使い分け」という伝統は、今もなおベントレーファンの間で大切な語り草となっています。(出典:ベントレーモーターズ『歴史と伝統』)
歴史から読み解くアストンマーチンやベントレーのロゴ
- デビッドブラウン時代の名車を飾った伝説のバッジ
- 2022年に刷新されたアストンマーチンの最新ロゴ
- 2025に向けて進化するベントレーの最新ロゴ
- フライングBが象徴するベントレーの工学的な誇り
- よくある質問
- アストンマーチンとベントレーのロゴに関するまとめ
デビッドブラウン時代の名車を飾った伝説のバッジ
アストンマーチンの歴史において、最も輝かしい黄金時代を築いたのが、1947年にブランドを救い上げた実業家、デビッド・ブラウン卿です。彼の功績はあまりに大きく、当時のロゴには中央に誇らしげに「DAVID BROWN」という氏名が追加されました。この時代のロゴを冠したモデルこそが、あの「DB5」をはじめとする伝説的なDBシリーズです。
映画『007』でジェームズ・ボンドがハンドルを握ったそのバッジには、経営者としての執念と、最高のものを作ろうとする英国紳士のプライドが刻まれていました。
私のような整備の仕事をしている人間にとって、「DB」の文字が入ったロゴは特別な意味を持ちます。それは、単なるブランド名を超えて、一台一台が個性的で、かつ高い耐久性と美しさを兼ね備えていた時代の象徴だからです。
1972年に彼が会社を去るとロゴから名前は消えてしまいましたが、今の最新モデルであるDB12やDBXといった名称にそのイニシャルが引き継がれているのは、非常に感慨深いものがあります。ロゴのデザイン変更はブランドの歴史の節目を表していますが、アストンマーチンの場合は、そのロゴが「誰によって守られてきたか」という人間ドラマが色濃く反映されているのが特徴ですね。
歴史を知れば知るほど、フロントを飾る小さな金属のプレートが、重厚な歴史の重みを持っていることに気づかされます。
デビッド・ブラウン時代のロゴは、長方形の枠の中にブランド名が収まっており、非常に質実剛健な美しさがありました。このデザインは、現在のモダンなロゴの礎となっており、アストンマーチンが「単なるスポーツカーブランド」から「世界最高のGT(グランドツーリング)ブランド」へと脱皮した瞬間の記録でもあります。
整備士として、古いDBシリーズのバッジを磨くときは、当時の情熱が指先から伝わってくるような感覚になります。ブランドのアイデンティティは、こうした「人の名前」が刻まれるほどの強い想いによって形成されてきたのですね。
2022年に刷新されたアストンマーチンの最新ロゴ
アストンマーチンは2022年、約19年ぶりとなる大規模なリブランディングを行い、ロゴを刷新しました。これは、世界的なハイパフォーマンスブランドとしての地位をさらに盤石なものにするための戦略的な決断でした。新しいデザインを担当したのは、数々の伝説的なジャケットデザインで知られるグラフィックデザイナー、ピーター・サヴィル氏。
彼が手がけた新しいウイングは、これまでの複雑なラインを整理し、極限まで削ぎ落とした「フラットデザイン」へと進化しました。
具体的には、中央下部にあったスカラベの胴体の名残である「半円形のライン」が取り除かれました。これにより、デジタル画面やアプリ上での視認性が劇的に向上しましたが、物理的なバッジの美しさは損なわれていません。バーミンガムの老舗宝石商「ヴォートンズ」の職人たちが、手作業で磨き上げ、エナメルを流し込む工程は今も変わらず続けられています。
整備の際、新しいロゴを間近で見ると、その滑らかさと光の反射の美しさに驚かされます。「伝統と革新」という言葉は使い古されていますが、アストンマーチンの新ロゴはまさにそれを体現しています。最新のテクノロジーを追求しながらも、その魂である「羽」の形状は決して変えない。その姿勢こそが、100年以上愛され続ける理由なのだと思います。

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この新しいロゴには「Intensity. Driven.(強烈な衝動に、駆り立てられる。)」というメッセージが込められています。F1への本格参戦やハイパーカー「ヴァルキリー」の投入など、アストンマーチンがより「攻め」の姿勢に転じていることを、このシャープな新ロゴが物語っています。
私たち整備士も、最新モデルのバッジを目にするたびに、ブランドが目指す新しい次元の走りに思いを馳せずにはいられません。デジタル化が進む中で、あえて物理的な質感にこだわり続けるアストンマーチンの姿勢は、まさに究極のラグジュアリーと言えるでしょう。
2025年に向けて進化するベントレーの最新ロゴ
ベントレーもまた、2025年に向けた新しいブランド戦略「Beyond100」に伴い、ロゴのデザインをさらなる高みへと進化させています。106年の歴史で5回目となる今回の刷新では、これまでのどっしりとした翼から、より鋭利で攻撃的な「ハヤブサ(ファルコン)」を彷彿とさせるデザインへとシフトしました。
これは、ベントレーが単なる高級車ではなく、電動化時代においても「究極のドライバーズカー」であり続けるという宣言でもあります。
新しいロゴでは、中央の「B」を取り囲む装飾には、高級時計のベゼルのような精緻なカッティングが施されています。こうした高級感の表現方法は、最近の自動車業界全体のトレンドでもあります。例えば、BMWのデザインが物議を醸している理由としても語られるように、伝統的な「グリル」の役割が変化する中で、ブランドの顔としてのエンブレムの重要性は増しています。
ベントレーの新ロゴは、まさに「光と質感」でブランドを再定義しようとしているのです。
2025年以降、道ですれ違うベントレーの翼がより「シュッ」と鋭くなっていたら、それは最新の電動化時代をリードする一台である証拠です。整備士の視点から見ると、パーツの軽量化やデジタルデバイスとの親和性は避けて通れない課題ですが、ベントレーはそれをロゴのデザインにまで落とし込んでいます。
伝統の非対称デザインをどのように守りつつ進化させていくのか、一ファンとしても目が離せません。未来のベントレーは、静寂の中を猛禽類のように鋭く駆け抜ける存在になるのでしょうね。
フライングBが象徴するベントレーの工学的な誇り
ベントレーのロゴを語る上で欠かせないのが、ボンネットの先端に直立する立体マスコット、通称「フライングB」です。これは究極のステータスシンボルとして君臨してきました。
一度は歩行者保護の安全基準によって姿を消した時期もありましたが、現在は、停車時や衝突時に自動でグリル内へ格納される「リトラクタブル(格納式)」というハイテク機能を備えて見事に復活を遂げています。
最新のフライングBは、職人が手作業で磨き上げたクリスタルガラス製のものもあり、ウェルカムライトとして内側から美しく発光する機能まで備わっています。整備中にこのマスコットがゆっくりと現れる動きを見ると、その精密なメカニズムには感心させられるばかりです。
これは単なる「飾り」ではなく、ベントレーが持つ力強さと、大空へ羽ばたく自由を象徴する、ブランドの「顔」そのもの。かつて創業者が航空機エンジンの設計に命を燃やしたように、その誇りは今もこの小さなウイングマスコットの中に生き続けています。
こうした細部への偏執的なまでのこだわりが、ベントレーを「世界最高のグランドツアラー」たらしめているのだと確信します。格納式の機構は非常にデリケートですが、それがスムーズに作動する様子は、まさに機械工学の極致。私たち整備士が最もその技術力の高さを実感する部分でもあります。
オーナー様がドアを開けるたびに、光り輝くフライングBが静かに立ち上がる。その瞬間に提供される「最高の体験」こそが、ベントレーというブランドの真骨頂なのです。
高級車のロゴに関するアドバイス
エンブレムの細かなデザインや素材は、年式や特定の特別仕様車によって異なる場合があります。ご自身の愛車のロゴを交換したり、メンテナンスしたりする際は、適合する純正パーツを正規ディーラーや専門ショップに確認することが非常に重要です。特に最新の格納式マスコットは精密な機械部品ですので、不具合を感じた際は信頼できるメカニックにご相談くださいね。
よくある質問
Q:アストンマーチンとベントレーのロゴを一瞬で見分けるポイントは?
A:アストンマーチンは翼が少し上を向いた「V字型」で中央に社名のフルネームがあり、ベントレーは翼が「水平」で中央に大きな「B」のイニシャルがあるのが最大の違いです。
Q:アストンマーチンのロゴの由来が「虫(スカラベ)」というのは本当ですか?
A:本当です。1920年代のエジプトブームを受け、古代エジプトで「再生・復活」を象徴する聖なる甲虫「スカラベ」の羽をモチーフに、ブランドの再起を願ってデザインされました。
Q:なぜベントレーのロゴの羽の数は「左右非対称」に作られているのですか?
A:躍動感を出すデザイン上の理由に加え、当時のコピー品と真正品を区別するための「偽造防止策」としての役割がありました。伝統的に左10枚・右11枚のように枚数が異なります。
Q:ベントレーのバッジの中央部分の色には、どのような意味がありますか?
A:歴史的に「ブラック」は最高性能のW12モデル、「レッド」はスポーティなV8モデル、「グリーン」は伝統的なグランドツーリングモデルなど、搭載エンジンや車両の性格を表しています。
アストンマーチンとベントレーのロゴに関するまとめ
今回は、英国が誇る二大名門ブランド、アストンマーチンとベントレーのロゴについて、その見分け方や知られざる歴史を深掘りしてきました。
一見よく似た「翼」のデザインですが、アストンマーチンは古代エジプトの神秘的な「スカラベ」に再生の願いを込め、ベントレーは「航空機エンジンの血脈」をその左右非対称な羽に刻み込みました。それぞれの背景を知ることで、これまで以上に「アストン マーチン ベントレー ロゴ」の違いを鮮明に感じていただけるようになったのではないでしょうか。
ロゴは単なる会社のマークではなく、何十年、何百年と続いてきたブランドの信念を凝縮したものです。もし街中でこれらのロゴを見かけたら、ぜひ中央の文字や翼の反り方、そして羽の数をこっそりチェックしてみてください。そこには、1920年代の職人たちが抱いたスピードへの憧れや、幾多の困難を乗り越えてきた経営者たちの情熱が、今も色褪せることなく輝いています。
高級車の魅力はスペックだけではありません。こうした小さなロゴに隠された壮大なストーリーを知ることこそが、大人な車の楽しみ方なのかもしれませんね。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!これからも「プレミアムカージャーナル」では、現役整備士の経験を活かして、輸入車や高級車の奥深い魅力を分かりやすく発信していきます。皆さんのカーライフが、もっと豊かでワクワクするものになるお手伝いができれば嬉しいです。それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

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