はじめまして!このブログ「プレミアムカージャーナル」の運営責任者であり、現役の整備士を務めております、神崎悠真(かんざき ゆうま)と申します。

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「世界で最も美しい4ドアスポーツカー」――この言葉に嘘偽りのない、芸術品のようなプロポーションを持つアストンマーティン・ラピード。そのステアリングを握ることは、多くの車好きにとっての「上がり」を意味するかもしれません。しかし、購入を検討する段階になると、どうしても脳裏をよぎるのが現実的なコストの問題ですよね。
特に「アストンマーティン ラピード 燃費」というキーワードで検索をされているあなたは、きっと心のどこかで「維持できるだろうか?」「後悔しないだろうか?」という不安を抱えているのではないでしょうか。
6.0リッターV12エンジンという響きは、車好きにとっては宝石のような響きですが、昨今のガソリン価格高騰やエコカー全盛の時代においては、ある種の「背徳感」さえ覚えるスペックです。実際の街乗りでの燃費はどうなのか、毎年の税金はいくら掛かるのか、そして万が一故障した時の修理費は…?
この記事では、カタログに載っている無機質な数値だけでは見えてこない、ラピードオーナーのリアルな財布事情や、私が整備士として現場で見てきた「維持の現実」を、包み隠さず本音でお話しします。決して安い買い物ではありません。だからこそ、購入後に「こんなはずじゃなかった」と思ってほしくないのです。
また、そもそもアストンマーティンに乗っている人の深層心理とは?紳士淑女が選ぶ究極の美学を知ることで、維持費に対する考え方も変わるかもしれません。
記事のポイント
- カタログ値とは大きく異なる、街乗りや高速道路におけるリアルな実燃費データの詳細
- 13年超の重課税や、タイヤ・ブレーキなどの消耗品交換を含めた年間維持費のシミュレーション
- V12エンジン特有の故障リスクと、整備士だから知るメンテナンスの勘所
- 維持費のリスクを最小限に抑えつつ楽しむための、賢い中古車選びのコツ
アストンマーティンラピードの燃費と実燃費の真実
街乗りは燃費悪い?実燃費データを検証
まずは、最も気になる「街乗り」での燃費について、単刀直入にお話ししましょう。結論から申し上げますと、日本の都市部、特に信号や渋滞が多い環境におけるラピードの燃費は、現代のエコカーやダウンサイジングターボ車に慣れた感覚からすると、「衝撃的」とも言える数値になります。
私がこれまでに整備を担当させていただいたオーナー様の実録データや、車載の燃費計の履歴に基づくと、都内の移動がメインの場合、実燃費は「3.0km/L ~ 4.5km/L」程度というのが偽らざる現実です。もし、夏の暑い日にエアコンをガンガン効かせて、明治通りや環状線の激しい渋滞に巻き込まれれば、リッター2km台を表示することも決して珍しくありません。

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アイドリング時の消費に注意
なぜここまで燃費が悪いのか。それは「動いていない時」にガソリンを大量に捨てているからです。6,000ccのV12エンジンは、ただアイドリングをしているだけでも、一般的なコンパクトカーが走行できるほどの燃料(毎時2〜3リットルとも言われます)を消費します。
ラピードには、近年の車のような高効率な「アイドリングストップ機能」がついていない(初期型)、または付いていても始動時の振動を嫌ってOFFにしているオーナー様が多いため、信号待ちのたびにチャリンチャリンとお金が落ちていく感覚になります。
物理法則には逆らえない重量級ボディ
また、ラピードの車両重量は約2トン(1,950kg〜1,990kg)あります。信号待ちからの発進、つまり「0km/hからこの巨体を動かす瞬間」に最もエネルギーを使います。日本の道路事情のように「止まっては進み」を繰り返す環境は、重量級の大排気量車にとって最も苦手なシチュエーションなのです。
想像してみてください。2トンの鉄塊を動かすために、毎回6,000ccのエンジンが唸りを上げるわけです。プリウスなどのハイブリッド車がモーターの力だけでスーッと発進するのとは対照的に、ラピードはガソリンの爆発力だけでその巨体を押し出します。「リッター3km」と聞くと、日常の足としてコンビニやスーパーに行くのさえ少し躊躇してしまう数字ですよね。
満タンにしても、街乗りだけなら300kmも走らない計算になります。「ガソリンスタンドが友達」という冗談が、あながち冗談ではなくなるのがラピードの街乗り事情です。
高速道路での燃費と航続距離の実力
「街乗り燃費」の話を聞いて心が折れかけた方も、もう少しだけお待ちください。実は、高速道路にステージを移すと、ラピードは全く別の顔を見せてくれます。ここは声を大にしてお伝えしたいのですが、高速巡航時の燃費は「8.0km/L ~ 10.0km/L」まで伸びることが多いのです。条件が良ければカタログ値を超えることさえあります。
「排気量が大きいと燃費が悪い」というのは半分正解で半分間違いです。大排気量の自然吸気(NA)エンジンは、トルクが太いため、一度スピードに乗ってしまえば非常に低いエンジン負荷で巡航することができます。アクセルをほとんど踏まず、ペダルに足を乗せているだけで、滑るように走り続ける感覚ですね。
この「コースティング(惰性走行)」に近い状態であれば、12個あるシリンダーは意外なほど燃料を欲しがりません。
グランドツアラー(GT)としての真価
ラピードの燃料タンク容量は、約90リットル(90.5L)という巨大なサイズを誇ります。これに高速道路での実燃費(約9km/Lと仮定)を掛け合わせると、どうなるでしょうか。

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理論上の航続距離は800kmオーバー
計算上は、満タン給油で約810kmを無給油で走り切れることになります。これは、東京から出発して大阪を越え、広島や岡山あたりまで到達できる距離です。実際に私も、東京ー名古屋間を往復したことがありますが、途中の給油は不要でした。
ラピードの本質は、4枚のドアがついた「グランドツアラー(GT)」です。大人4人が快適に、かつ高速で長距離を移動するために作られています。週末のゴルフや、遠方の温泉旅行など、高速道路をメインとした使い方をするのであれば、燃費の悪さはそこまで致命的なネガティブ要素にはならないかもしれません。
街中での大食らいも、ひとたびハイウェイに乗れば「頼れる長距離ランナー」へと変貌する。この二面性こそが、大排気量GTカーの面白さであり、ある種のロマンと言えるでしょう。
ラピードSの8速ATで燃費は改善する
ラピードの中古車を探していると、「2014年以前のモデル」と「2015年以降のモデル」で価格差があることに気づくと思います。これには明確な理由があります。ラピードの燃費と走りの質を劇的に変えた転換点、それがトランスミッション(変速機)の進化です。
初期型や前期のラピードSには「6速AT(Touchtronic II)」が搭載されていましたが、2014年の後半(2015年モデルイヤー)から、世界的な変速機メーカーであるZF社製の「8速AT(Touchtronic III)」が導入されました。たった2段ギアが増えただけと思われるかもしれませんが、この差は雲泥の差です。
100km/h巡航時の回転数が劇的に低下
8速化の最大の恩恵は、高速巡航時のエンジン回転数を低く抑えられることです。6速AT時代は、100km/h巡航時にエンジンがそこそこ回ってしまっていましたが、8速ATモデルではトップギア(8速)に入れば1,500rpm以下という極めて低い回転数で静かにクルージングできます。
回転数が低いということは、それだけ燃料噴射回数が減ることを意味しますから、ロングドライブでの燃費にダイレクトに効いてくるのです。
整備士の豆知識:ZF製8HPの凄さ
この「Touchtronic III」のベースとなっているZF製8HPトランスミッションは、BMWやロールスロイスなど多くの高級車に採用されている名機です。
変速スピードがデュアルクラッチ並みに速いだけでなく、トルクコンバーターのロックアップ領域(エンジンとタイヤが直結している状態)が非常に広いため、昔のAT車のような「滑り」によるパワーロスがほとんどありません。これが燃費向上に直結しています。
実際に乗り比べてみると、燃費計の数値が明らかに違います。もし予算が許すのであれば、私は間違いなく8速ATモデルをおすすめします。

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燃費だけでなく、街中でのギクシャク感も解消され、走りの質感が格段に洗練されているからです。初期投資は高くなりますが、毎回の給油時のストレスや、リセールバリューを考慮すれば、十分に元が取れる選択だと言えます。
パナメーラなどライバル車と燃費比較
ラピードの購入を考える際、必ずと言っていいほど比較対象に挙がるのが「ポルシェ パナメーラ」や「マセラティ クアトロポルテ」といったライバルたちです。彼らと比べたとき、ラピードの燃費性能はどの位置にいるのでしょうか。正直に、残酷な事実を申し上げますと、「効率」という点ではパナメーラの圧勝であり、ラピードは最もクラシカル(非効率)な部類に入ります。
特にパナメーラの技術力は凄まじく、高速道路でアクセルを離すと瞬時にエンジンをアイドリング状態(または停止)にして滑走する「コースティング機能」が強烈に効きます。V8ターボというハイパワーを持ちながら、エコカー並みの制御を行っているのです。
最近ではアストンマーティンSUVの値段は?DBXの新車・中古相場を徹底解説の記事でも触れているように、アストンマーティンもDBXなどで最新技術を取り入れていますが、ラピードに関しては「古き良き時代の遺産」的な設計思想が色濃く残っています。
それでもラピードを選ぶ理由
数字だけ見れば、ラピードを選ぶ合理的な理由は見当たりません。しかし、アストンマーティンには数値では測れない「V12自然吸気エンジンの官能性」があります。あの乾いた、魂を震わせるようなエキゾーストノートと、回転数に応じてドラマチックに盛り上がるフィーリング。
燃費の悪さは、その美しい音色と体験への「入場料」だと割り切れるかどうかが、オーナーになれるかどうかの分かれ道かなと思います。効率を求めるならポルシェ、ロマンを求めるならアストンマーティン。この住み分けは明確です。
燃費悪化の原因となるタイヤやエアコン
ただでさえ良くないラピードの燃費ですが、車のコンディションやオーナーの使い方によっては、さらに悪化してしまうことがあります。特に影響が大きいのが「タイヤ」と「エアコン」、そしてアストンマーティン特有の「センサー類の不調」です。
タイヤの空気圧管理はシビアに
ラピードは20インチ、あるいは21インチという超大径かつ幅広のタイヤ(リアは295サイズなど)を履いています。このサイズのタイヤは、空気圧が規定値より少し(例えば0.2barほど)下がるだけでも、路面との接地抵抗が激増します。自転車のタイヤの空気が抜けていると漕ぐのが重いのと同じ理屈ですが、車重2トンのラピードではその影響が顕著に出ます。
燃費だけでなく、偏摩耗を防ぐためにも、月に一度は空気圧チェックを行うことを強く推奨します。
O2センサーの故障は「燃費激悪」のサイン
整備現場でよく遭遇するのが、「最近、急激に燃費が悪くなった」「マフラーから黒煙っぽい煤が出る」という相談です。この場合、疑うべきは乗り方ではなく「O2センサー」の故障です。
ポイント
排気ガス中の酸素濃度を測定し、エンジンに送る燃料の濃さを調整する重要なセンサーです。これが劣化してボケてくると、車のコンピューターは「エンジンを壊さないための安全策」として、とりあえず燃料を濃いめに噴射し続ける(フェイルセーフ)モードに入ります。
結果として、エンジンの調子はなんとなく悪いまま、ガソリンだけは通常の1.5倍〜2倍のペースで消費されるという悲劇が起きます。ラピードのV12エンジンには、このセンサーが片側バンクに2つずつ、合計4つ(モデルによってはそれ以上)付いています。「燃費が悪くなったな」と感じたら、まずはテスター診断を受けるのが解決への近道です。
放置すると触媒(キャタライザー)まで痛めてしまい、修理費がさらに跳ね上がる可能性もあるので注意が必要です。
アストンマーティンラピードの燃費や維持費の総額
- 燃費より怖い?重課税となる税金の負担
- 故障リスクと高額なメンテナンス費用
- 中古車価格とリセールバリューの関係
- 維持費を抑える賢い中古車の選び方
- よくある質問
- アストンマーティンラピードの燃費総括
燃費より怖い?重課税となる税金の負担
ガソリン代は「走らなければ掛からない変動費」ですが、車庫に眠らせているだけでも確実に、そして容赦なく請求されるのが税金です。残念ながら、日本の自動車税制はラピードのような大排気量・重量級の車に対して非常に懲罰的です。
毎年5月の憂鬱:自動車税
まず自動車税ですが、ラピードの排気量は5,935ccなので「6.0リットル以下」の区分になります。標準税額でも「88,000円」という高額な設定です。しかし、これだけでは済みません。初期型のラピード(2010年〜2012年頃の登録)は、新車登録から13年が経過しています。これにより「グリーン化特例」の逆風を受け、約15%の重課税が加算されます。
つまり、年間「約101,200円」の納税通知書が毎年5月に届くことになります。封筒を開けた瞬間、ため息が出る金額ですよね。

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車検時の重量税もヘビー級
さらに車検の際に支払う「自動車重量税」も高額です。車両重量が2トンを超えているため、2年分で通常でも「41,000円」ですが、こちらも13年経過、18年経過と段階的に税額が跳ね上がります。13年経過車であれば、2年分で「57,000円」(出典:国土交通省『自動車重量税額について』)が必要です。
固定費だけで月1.5万円
これに自賠責保険料や印紙代を加えると、車検のたびに整備代とは別に「法定費用だけで10万円以上」が飛んでいきます。ガソリン代とは別に、月額換算で約1.5万円程度は税金のために積み立てておく必要がある計算です。この固定費を「高い」と感じるか、「V12エンジンの保護費」と感じるかが、オーナーとしての資質を問われる最初のハードルかもしれません。
故障リスクと高額なメンテナンス費用
「アストンマーティンは壊れやすいですか?」という質問をよく受けます。正直にお答えすると、昔のハンドメイド時代のモデルに比べれば、VHプラットフォーム世代のラピードは格段に信頼性が上がっています。突然エンジンが止まるような致命的なトラブルは減りました。
しかし、「壊れにくくなった」ことと「維持費が安い」ことはイコールではありません。詳しくはアストンマーチン故障率の真実!維持費と後悔しない中古車選びの記事でも解説していますが、部品一つ一つの単価が、国産車や一般的なドイツ車の数倍設定になっているからです。
私たちがお客様によくお伝えしている合言葉は、「車両購入費とは別に、常に200万円くらいの修理予備費を口座に残しておいてください」というものです。

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ポイント
- イグニッションコイルのパンク: エンジン不調の定番原因です。V12気筒なので12本必要です。1本数万円するコイルを12本、さらに交換にはインテークマニホールドの脱着が必要なため、工賃込みで30万円〜40万円コースになります。
- ブレーキローター&パッド交換: 車重2トンの巨体を止めるブレーキへの負担は甚大です。純正部品で4輪すべて交換すると、驚くことに40万円〜60万円の見積もりが出ることがあります。社外品をうまく使えば抑えられますが、それでも高額です。
- ドアモジュールの故障: 「窓が少し下がってドアが開き、閉めると窓が上がる」というショートドロップ機能が壊れることがあります。ドア内部のモジュール交換が必要で、片側だけで10万円以上掛かるケースも。
これらは「運が悪ければ壊れる」というよりは、「長く乗っていればいずれ訪れる定期交換イベント」だと思っていただいた方が精神衛生上良いでしょう。特にブレーキやタイヤなどの消耗品は、車重が重くパワーがあるため減りが早いです。「何も壊れていないのに車検で50万円かかった」というのは、アストンマーティンの世界ではよくある話なのです。
中古車価格とリセールバリューの関係
維持費の高さに脅かしてしまいましたが、ここで明るいニュースもあります。それは、車両本体価格の推移です。新車当時は2,300万円〜3,000万円という雲の上の存在だったラピードですが、2025年現在の中古車市場では、かなり現実的な価格帯まで降りてきています。
具体的には、走行距離が進んだ初期型(2010-2012年)であれば、総額500万円台後半〜700万円台で探せる個体も増えてきました。新車時の価格を考えれば、バーゲンプライスと言っても過言ではありません。「新車のアルファードを買う予算で、アストンマーティンのV12に乗れる」と考えると、心が揺らぐ方も多いのではないでしょうか。
リセールの二極化が進む
ただし、リセールバリュー(売却価格)については注意が必要です。底値に近い初期型は、これ以上大きく値下がりするリスクは少ない(底値安定)ですが、維持費の高さから買い手が限られるため、高値での売却は期待しにくいのが現状です。
一方で、後期の「ラピードS」や、生産台数が少ない最終モデルの「ラピードAMR」は、コレクターズアイテムとしての価値が認められ始めており、相場が高値で安定しています。
見出し(全角15文字)
資産価値を気にするのであれば、初期投資は高くても後期モデルや限定車を狙うのが賢明かもしれません。しかし、純粋に「V12サルーンの世界」を味わいたいのであれば、初期型を安く購入し、浮いた予算をメンテナンスに回して楽しむというのも、非常に賢いカーライフの楽しみ方です。
維持費を抑える賢い中古車の選び方
では、底なし沼のような維持費地獄を避け、スマートにラピードを所有するためには、どのような個体を選べば良いのでしょうか。整備士としての視点で、絶対にチェックしてほしいポイントを3つに絞りました。

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ポイント
- 可能な限り「8速AT」モデルを選ぶ: 前述の通り、燃費と信頼性が段違いです。トランスミッション自体の故障リスクもZF製8速の方が低いため、長い目で見れば初期投資の差額(200〜300万円)を回収できる可能性が高いです。
- 「整備記録簿」の厚みを確認する: 走行距離の少なさよりも、整備履歴の内容が重要です。特に「イグニッションコイル」「O2センサー」「定期的な油脂類交換」が直近で行われている個体は、購入直後の数十万円の出費を回避できる「当たり車両」です。前のオーナーがお金をかけてくれた車を選びましょう。
- 内装、特に「ダッシュボード」の状態を見る: アストンマーティンの持病として、革が縮んでダッシュボードがめくれ上がったり、浮いたりする現象があります。これを綺麗に修理するには、フロントガラスを外してダッシュボードを丸ごと下ろす必要があり、工賃が非常に高額になります。屋内保管されていた、革の状態が良い個体を選ぶことは必須条件です。
「安いから」という理由だけで、整備履歴の不明な初期型に飛びつくのが一番危険です。「車両価格+200万円の予算」を確保し、その予算内で買える最もコンディションの良い個体を選ぶ。これが、結果として最も安くラピードを楽しむための鉄則です。
よくある質問
Q:アストンマーティン ラピードの街乗りと高速道路での実燃費はどれくらいですか?
A:都内の街乗りでは「3.0km/L~4.5km/L」が現実的な数値ですが、高速巡航時は「8.0km/L~10.0km/L」まで伸びます。特に2014年後半以降の8速ATモデルは高速燃費が優秀です。
Q:ラピードの維持費において、税金は年間どれくらいかかりますか?
A:6.0Lエンジンのため自動車税は高額です。特に13年経過した初期型は重課税対象となり、自動車税だけで年間約10万円(101,200円)の納税通知書が届きます。車検時の重量税も高額になります。
Q:アストンマーティンは壊れやすいですか?修理費の目安は?
A:信頼性は向上していますが、部品単価が高額です。イグニッションコイルやO2センサー、ブレーキ交換などは数十万円単位の出費となります。車両購入費とは別に「200万円の修理予備費」を用意することを推奨します。
Q:中古車を購入する際、失敗しないための選び方のポイントは?
A:燃費と信頼性が向上した「8速ATモデル(2015年式以降)」を選ぶのがベストです。また、高額修理を避けるため「整備記録簿(コイル等の交換歴)」と「ダッシュボードの革の状態」の確認は必須です。
アストンマーティンラピードの燃費総括
ここまで、ラピードの厳しい現実やお金の話ばかりをしてしまいました。「やっぱりやめておこうかな」と思われたかもしれません。しかし、最後にこれだけは言わせてください。私は、アストンマーティン・ラピードという車を心から愛しています。
確かに、アストンマーティンラピードの燃費は現代の基準では「劣悪」です。税金も高いし、メンテナンスにも手がかかります。合理的・経済的な観点だけで見れば、所有するメリットは皆無に等しいでしょう。
ですが、早朝のガレージでエンジンを掛け、あのV12の咆哮を聴いた瞬間、あるいはショーウィンドウに映る世界で一番美しい4ドアのシルエットを見た瞬間、ガソリン代や税金のことなどどうでも良くなってしまう――そんな魔力がこの車にはあります。「移動手段」ではなく、「人生を豊かにするパートナー」として見ることができるなら、これほど満足度の高い車は他にありません。

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もしあなたが、頻繁な給油の手間や、毎年の高額な税金を「この美しい芸術品を所有し、維持するためのクラブ会費」として許容できる経済的・精神的余裕をお持ちであれば、ラピードはあなたの人生に彩りを与える最高の愛車になるはずです。
この記事が、あなたの背中を押す、あるいは冷静に踏みとどまらせるための判断材料になれば幸いです。もし購入後のメンテナンスや、個体選びで不安があれば、いつでも信頼できる専門店や私のような整備士にご相談ください。それでは、あなたにとって良きカーライフが訪れますように!